MP4対応iモーション:QuickTime6.3以降+3GPP


iモーションとバージョン(ファイル形式)について

  • iモーションは、FOMA iモードサービスにおいて、パケット通信網を利用し動画コンテンツを配信するサービスです。iモーションには、MP4対応iモーションとASF対応iモーションの2種類があります。ASF対応iモーションは一部の古い機種のみの対応なので、通常は、MP4対応iモーションのみを考えればいいと思います。それぞれの詳細については以下のページをご覧ください。

    ・【MP4対応iモーション】:FOMA2051以降の端末対応
    ・【MP4対応iモーション】:FOMA2101Vのみ対応

  • 本ページでは、QuickTime6.3以降を使用した、MP4形式iモーションコンテンツの作成方法について紹介します。ASF形式コンテンツの作成方法についてはこちら

MP4対応iモーションについて

  • MP4形式のiモーションコンテンツのファイル形式は、映像:MPEG4またはH.263、音声:AMRまたはAAC、ナレーション用テキストをMP4形式で多重化したものです。
  • MP4形式のiモーションコンテンツは、FOMA端末の他に、PCでQuickTimePlayerで見る事ができます。
  • 901iシリーズよりファイル容量が300Kbytesから500Kbytesに増加しました。

    映像処理部 MPEG4 Visual Simple Profile Level 0 画像サイズ Sub-QCIF(横128×縦96ドット)
    QCIF(横176×横144ドット)
    フレームレート 最大15fps
    ビットレート 最大64Kbps(900iシリーズ以前)
    最大192kbps (901i)
    H.263 baseline※1 画像サイズ Sub-QCIF(横128×縦96ドット)
    QCIF(横176×縦144ドット)
    フレームレート 最大15fps
    ビットレート 最大64Kbps(900iシリーズ以前)
    最大192kbps(901i)
    音声処理部 AMR ビットレート 4.75, 5.15, 5.90, 6.70, 7.40, 7.95, 10.2, 12.2Kbps※2
    チャンネル数 1ch(モノラル)
    サンプリングレート 8KHz
    MPEG-4 AAC※1 ビットレート 8〜80Kbps
    チャンネル数 1ch(モノラル)・2ch(ステレオ)
    サンプリングレート 8KHz、16KHz
    テキスト処理部 フォーマット形式 Timed Text Format※3
    多重化ファイルフォーマット フォーマット形式 Mobile MP4※4
    最大ファイルサイズ(多重化後) 900iシリーズ以前 最大300Kbytes
    901iシリーズ 最大500kbytes
    最大ビットレート【映像+音声】 2102Vシリーズ以前 112kbps【映像64kbps+音声48kbps】
    900iシリーズ以降 144Kbps【映像64kbps+音声80kbps】
    ※1 F2102V/N2102V以降のiモーション対応端末に対応。
    ※2 固定ビットレートおよび可変ビットレートに対応。
    ※3 3GPPの技術仕様 TS 26.234 V5.0.0, "Transparent end-to-end packet switched streaming service (PSS); Protocols and codecs (Release5), March 2002." にて規定されているフォーマット。
    ※4 >MP4ファイルフォーマットをiモーション向けに機能削減・拡張したファイルフォーマット。

サーバ側MIMEタイプの設定

  • iモーション(MP4形式)コンテンツをWebサーバから配信するためには、サーバに以下のMIMEタイプの設定が必要になります。BIGLOBEにお願いし、6月28日に設定が完了しました。

    【MIMEタイプ】
    video/3gpp
    
    【エクステンション】
    .3gp
    


サンプルコンテンツ

「QuickTime6.3+3GPP」


エンコーダソフトの準備

  • iモーションコンテンツの作成は、QuickTimeProが必要です。Ver6.3では 3GPPコンポーネントが別途必要でしたが、Ver6.4以降では3GPPコンポーネントも含まれています。

    QuickTimePro(有料3,780円)

  • QuickTime6.3以降と 3GPPコンポーネントの技術的な内容については、以下のページが参考になります。

    What' New in QuickTime 6.3 + 3GPP


iモーション(MP4形式)作成手順

  1. 具体的な作成手順は、以下のページを参照して下さい。

    MP4対応iモーションコンテンツ作成手順

    全体の大きな流れは、以下の様になります。
    • 映像と音声を含むビデオの作成します。手順は、QuickTime Proを使った通常のQuickTimeビデオの作成と変わりません。最後に「ファイル」−>「書き出し」により書き出す時の設定で「"ムービーから3GPP"」を選択します。「オプション」をクリックし、オプション設定を行います。【】内は、私のサンプルビデオの設定値です。

      一般 ファイルフォーマット Mobile MPEG-4
      ビデオトラック MPEG-4
      サイズ 128×96,176×144【176×144】
      オーディオトラック スピーチ,ミュージック【ミュージック】
      テキストトラック 3GPP(グレーアウト表示)
      ビデオ キロビット/秒 64Kbps以下(注1)【37】
      フレーム/秒 最適
      基準フレーム単位 24(デフォルト)
      再同期マーカー チェックを外す
      オーディオ キロビット/秒 8,16,20,24,・・・(ミュージックの場合)(注1)【8】
      チャンネル モノラル
      無音検出 (グレイアウト表示)
      フレーム/サンプル (デフォルト)
      (注1)ビデオとオーディオのビットレートは、合計で64Kbpsを超えない必要があるとともに、ファイルサイズが300KBの制限を超えない様にする必要があります。ナレーションテキストを含める場合は、そのサイズが増えるので、調整が必要な場合が出てきます。

    • ナレーションを入れる場合は、通常のテキストエディタを使用して、ナレーションテキストを作成します。XML形式で、文字コードはUTF-8を使用します。

    • 最後に、QuickTime Proにより、ビデオとナレーションテキストを多重化します。
      • まず、「ファイル」⇒「読み込み」よりナレーションXMLファイルを読み込みます。「編集」⇒「すべて選択」を選択後、「編集」⇒「コピー」にてテキストトラックのコピーを行います。
      • 次に、「ファイル」⇒「新規Player」にて新しいプレーヤを起動し、先に作成したビデオファイルを開きます。「編集」⇒「追加」にてテキストトラックを追加します。("拡大/縮小して追加"を選択するとムービーの長さにあわせて追加することが出来ます。)
      • 最後に、「ファイル」⇒「書き出し」にて"ムービーから3GPP"を選択し、オプションを表示します。一般設定画面にてビデオ、オーディオの各トラックを"そのまま"、テキストを"3GPP"と設定してファイルを保存します。

  2. ナレーションテキスト用XMLファイルの記述方法については、以下のページが参考になります。

    QuickTime TeXML for Constructing 3GPP Text Tracks

    私のサンプルコンテンツのナレーションテキスト用XMLファイルは以下の様になっています。

    ナレーション用XMLファイル


ホームページへのiモーションビデオの組込み

  • 上記で作成したiモーションビデオは、iモード対応HTML(CompactHTML)またはiモード対応XHTMLで記述して自分のページに組込みます。iモード対応HTML/XHTMLについては、以下のページを参照して下さい。
    iモード対応HTML/XHTMLページの作り方

  • 以下の様にAタグを使って自分のページに組込みます。ダウンロード後の再生回数の制限の掛け方で記述方法が異なります。

    【再生制限がない場合】
    <A href="020405_176x144_music_text.3gp">もうすぐ11才</A>
    

    【2回まで再生可能とする場合】(value="2"が回数です)
    <OBJECT declare id="taro" data="20020405_176x144_music_text.3gp" type="video/3gpp">
    <PARAM name="count" value="2" valuetype="data">
    </OBJECT>
    <A href="#taro">もうすぐ11才(2回制限)</A>
    

    【保存不可とする場合】(value="0"とします)
    <OBJECT declare id="taro.nosave" data="20020405_176x144_music_text.3gp" type="video/3gpp">
    <PARAM name="count" value="0" valuetype="data">
    </OBJECT>
    <A href="#taro.nosave">もうすぐ11才(保存不可)</A>
    

使ってみた感想

  • ファイルサイズが3倍となり、長いコンテンツが作れるのはいいのですが、旧Verと互換性が無いのは残念です。
  • 音声符号化方式として、従来のAMRに加えAACが使えるので、BGMを使用している場合に音質がよくなりました。

関連情報



ストリーミングへもどる


Copyright (c) 2003-2006 Hiroshi Nakamura. All rights reserved.