ブログの良い所は、雑誌のように、書き忘れが無いように原稿を何十回も読み直し修正を加え、さあ、これで良いだろうとなっても、

後で読むと、あれを書けば良かった、これは 余分だったと言う事が起こります。ブログでは、こんな事を心配しなくても良い、と言うとこ

ろでしょう。書き足らないところが有れば、次回に追加すれば良い、間違ったら訂正すれば良い、これ はどんどん筆が進みますね。さて、

フィルターの話で書き忘れた部分が有ります。最初の頃、フィルターの性能に拘って、スカートの落ち込みが-90dB 等と言う欲張った

フィルターを作っていました。出来るには出来るのですが、S/N が-50dB とか、旨くフィルターの素子の配置を換えても-55dBとか

しか行かず、どうしてこんなに,S/N が悪いんだ?と悩みました。FOJ はフィルターのQを下げてS/Nを良くする、等のトライをしたよ

うですが、全くやっていることが違う、と言う事を気付かせてくれたのがJA7xxxです。彼曰く、最後に出るSSBが-60dBも有れば十分

だから、裾の落とし込みは-60dBで十分じゃ無い?、この一言で何故 S/Nが取れないかが分かりました。FPAAの入力換算ゲインは

135dBだと、たしかANADIGMのユーザーマニュアルに書いてあったことを思い出しました。90dBもフィルターで使ったら、

135-90でS/Nは-45dBしか取れないじゃん。でも、-60dBは悔しいので、-65dBに設定しました、文句なくS/N が上がって

-70dB 程度になり、改めてアナログ回路の持つ、こちら立てれば、あちらが立たずの境地を実感 した次第です。では、ANADIGMの

フィルターツールで、フィルターを作って見ましょう。フィルターはバンドパス、素子は ELLIPTIC、これが1番効率が良い。図をご覧下

さい、図面右側にフィルターを作る際の設定欄です。まず右上、帯域内リップル、0.35dB以内としてあります。あまり欲張ると、

フィルターのポール数が増えてしまいます。フィルター外の減衰量、中心周波数、減衰量に到達した所のバンド幅、これも欲張ると、

ポール数が増えてしまいます。大切なのは、フィルターの各ポールに与えるクロックで、オートで選ばれる周波数だと奇麗なパターンが

出ないことが多く、この位の周波数なら250Khzのクロックが良いようです。今回は、基板の関係でどうしても8ポールでやりたかった

ので、これがギリギリの設定で しょう。ヘテロダイン後のフィルターに4つも使っているので、此処をセラミックフィルタにしてしまえ

ば、その分フィルターに回せますが、皆様のお好きなように・・・羊羹を切ったような、シャープなフィルターに憧れますが、特に低音部

では、切れ込みの周波数付近でトランジェントが起きる所為か、あまり芳しい音になりません。だらだらと15dB程落としてから、

ズドンと切るのが望ましい。いずれにしろ、フィルターツールだけで、これだけのフィルターを作ってくれるので、これを弄って、もう少

し奇麗なカーブにしましょう。8 ポールの内最初の4 ポールは、ハイパスを受け持ち、後ろの4つがローパスとなります。どちらも、

エッジに近いポールは、Q を高く要求し、Q が283 等と言う値が設定されます。勿論 FPAAのポール素子はそんなに高いQ は出来ませ

ん、Q は最大 70で、コンピュータが Q283だと言っても、シミュレーションは Q70で波形を計算します。 フィルターの話はこの位に

して置きましょう、気がついたことが有れば又書くことにしま す。話はあちこち飛びますが、構成を考えずに書き綴っていますのでこうな

ります。これもブログと言う事でお許し下さい。まだまだ分かったことが有ります。FPAAは差動アンプは直結ですので、直流の増幅が

出来ます。オペアンプのオフセットを解消するには、スイッチドキャパしたアンプしか無いと、思っ ていますが、高周波を扱う事にあまり

向いていないこの FPAA で直結はお勧めできません。バランスドモジュレータに直結回路を繋ぐと、微妙にバランスが崩れキャリア漏れ

が発生 します。同じ IC の中で、折角バランスを取ったモジュレーターの入力回路に、アンプなど繋げないと言う事です。もう一つ IC を

増やして、その中に回路を納め、コンデンサで直流をカットした上で繋げれ ばこの問題は解決します。FOJ にマイクアンプを外付けで

作って貰ったのも、これに気づかなかった為で、別 IC にマイクアンプを組めば、マイクから455Khz 迄全て FPAAで行けます。

以下次回。

DE JA1BRS

 

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