スイッチドキャパシターと一言でいいますが、原点はサンプル、アンド、ホールドと言う回路です。
A/D コンバータにも使われますが、可変するアナログ信号を、それより高い周波数でスイ ッチしアナログ信号のその時の電圧レベルを
コンデンサに充電し、次のクロックでその充 電量をアンプに入力すると言う物です。 当然、取り込める波形はスイッチする間にも変化
している訳で、残念ながらこの間の波形変化は分かりません。結果は階段状の波形となり、オーディオマニアからすると、見るに堪え
ない波形になりますが、信号情報は一つも失われていません。目的はアナログ信号を取り出すことで有って、スイッチする信号が欲し
い訳ではありません、この後アナログ信号だけ通して、スイッチの周波数は通さないと言うフィルターを通せば、元のアナログ信号が
増幅されて出てくるのです。出力信号がクロック分遅れるだけです、この遅れを逆手にとって何段も通し残響装置を作ったことが有り
ます。これを、技術者はデジタル回路とは呼びません、アナログ回路です。A/D コンバータは違います、刻々変わるアナログ電圧を
数値化します、こうなると元のアナログ波形とはまるで違った形となり、アナログ情報データと言うデジタル信号です。これ以降の
信号処理は計算機によって行われ、最後にD/Aコンバータによって人間に分か る形に戻されます、これがデジタル処理です。
コンデンサは直流は通さず、交流は通す、と教えられましたが、それはコンデンサが直流 によって完全に充電された後の話であって、
充電中は直流でも通します。交流は通す、と言うのもどの位通すのかとなると周波数によって通し方が変わります。 R=2πf c 分の 1
と言う有名な公式に当てはめられます。オペアンプの入力抵抗、フィードバック抵抗の比率でそのオペアンプの増幅率が変わることは
何方もご存じのことですが、この 2 つの抵抗を異なる周波数でスイッチするコンデン サに置き換えると、入力される信号の周波数に
よって増幅率が変わるオペアンプが出来ます。スイッチドキャパシターアンプがフィルターを得意とするのはこんな理由です。
FPAAに素子を選択して、その素子を開き、ドキュメントを開くとその素子の回路図が出てきます、何処をどうスイッチしているのか、
なるほどと感じる事が多く勉強になります。FPAAは全てアナログ回路でデジタル回路は一つもありません。
デジタル回路=コンピュータ=面倒なプログラム、こんな発想は一切いりません。コンピュータは使いますが、メール、
スカイプが使える方なら何方でも出来ます。勿論、アナログ回路の回路図が読める程度の知識は必要ですが・・・。