NetMeeting3技術説明


NetMeeting3技術資料

  • NetMeeting3の技術的な説明は、NetMeetingリソースキットのページが参考になります。「NetMeeting3リソースキット」の日本語翻訳したものがダウンロードできます。以下はそこから抜粋した資料です。

NetMeeting3アーキテクチャ

  • 以下の業界標準をサポートすることにより、NetMeeting は、ほかの企業による標準ベースの製品と相互運用することができます。

    【T.120】
    データ会議のための ITU (国際電気通信連合) T.120 標準には、T.126 ホワイトボード、T.127 ファイル転送、および T.128 プログラム共有標準が含まれます。この標準は、NetMeeting データ フロー、接続、および会議を確立して管理するためのプロトコルを提供しています。T.120 には、安全な呼び出しネゴシエーションとデータ暗号化のための T.123 Annex B セキュリティ機能も含まれます。

    【H.323】
    オーディオおよびビデオ会議のための ITU H.323 標準は、さまざまな接続レートで送信されるオーディオおよびビデオ ソースからの入出力をエンコードおよびデコードするための、標準のオーディオおよびビデオ CODEC のセットを提供します。これらの H.323 オーディオおよびビデオ CODEC を使って、NetMeeting は、インターネット テレフォニーの多様なモードをサポートすることができ、オーディオおよびビデオ情報を H.323 互換ノードに対して送受信することができます。H.323 標準には、情報フローをネゴシエートして順序づけるためのフレーム化、呼び出しのシグナル化、および呼び出しコントロール プロトコルも含まれています。

    【LDAP】
    IETF (Internet Engineering Task Force) LDAP 標準は、NetMeeting のためのディレクトリ サービス サポートを提供します。Microsoft ILS (Internet Locator Service) サーバーは LDAP インターフェイスを使って、TCP/IP 接続を介して通話や通信が行えるよう、現在の NetMeeting ユーザーのディレクトリを作成します。

  • これらの標準は、NetMeeting の接続、データ会議、オーディオおよびビデオ機能、およびディレクトリ サーバー アクセスを管理するための枠組みを提供します。下の図は、こうした機能を示しています。

    NetMeeting3アーキテクチャ


H.323プルトコルスタック

  • 以下の図は、H.323 アーキテクチャを示します。このアーキテクチャは、フレーム化と呼び出しコントロール、オーディオおよびビデオ CODEC、T.120 データ通信のための特定の機能セットを定義します。図では、ネットワークのためのインターフェイスと、オーディオおよびビデオ機器のインターフェイスも示しています。図のように、H.323 ターミナル アーキテクチャは最も一般的な H.323 仕様の実装です。この同じアーキテクチャは、H.323 MCU (マルチポイント コントロール ユニット)、ゲートウェイ、およびゲートキーパーにも実装することができます。

    H.323プルトコルスタック

  • フレーム化と呼び出しコントロール
    以下の標準はシステム コントロール ユニットを構成し、呼び出しコントロールおよびフレーム化機能を提供します。

    【H.225.0】
    この標準は、ネットワークに対する出力のための送信されるビデオ、オーディオ、データ、およびコントロール ストリームをフォーマットし、対応するストリームをネットワークから取得する層を定義します。オーディオおよびビデオ送信の一部として、H.225.0 は、以下のタスクのためにIETF (Internet Engineering Task Force)、RTP、および RTCP 仕様により指定されたパケット形式を使用します。
    ・論理フレーム化
    ・シーケンス番号付け
    ・エラー検出

    【Q.931】
    このプロトコルは、各 H.323 層がピア層とどのように相互作用するかを定義し、参加者が合意した形式で相互運用できるようにします。Q.931 プロトコルは、H.225.0 内にあります。H.323 呼び出しコントロールの一部として、Q.931 は、接続とフレーム化データを確立するためのリンク層プロトコルです。Q.931 は、論理チャンネルをより大きなチャンネルの内側に定義するための方法を提供します。 Q.931 メッセージには、コール参照値とメッセージ タイプによりそれぞれの固有のメッセージを識別するプロトコル ディスクリミネータがあります。H.225.0 層はさらに、これらの Q.931 メッセージがどのように受信、処理されるかを指定します。

    【H.245】
    この標準は、H.323 互換ターミナルが互いに接続できるようにする呼び出しコントロール機構を提供します。H.245 は、オーディオおよびビデオ接続を確立するための標準的な手段を提供します。これは、あるコンポーネントがほかのコンポーネントに接続して、通信するために従わなければならない一連のコマンドと要求です。この標準は、メッセージ、要求、コマンドのためのシグナル化、フロー制御、およびチャネリングを指定します。 組み込まれた H.245 の枠組みにより、H.323 内で CODEC の選択と機能のネゴシエーションが可能になります。ビット レート、フレーム レート、画像形式、およびアルゴリズム選択は、H.245 によりネゴシエートされる要素の一部です。

  • オーディオおよびビデオCODEC
    CODEC は、オーディオおよびビデオ情報の形式を定義し、オーディオおよびビデオが圧縮され、ネットワークに送信される方法を表します。H.323 は、オーディオおよびビデオ コーディングのためのさまざまなオプションを提供します。2 つの CODEC、つまりオーディオ用の G.711 およびビデオ用の H.261 は、H.323 仕様に必要とされます。H.323 ターミナルは、ITU-T (国際電気通信連合 ‐ 電気通信標準化部門) により決められたとおりに、A-law and μ-law コーディング アルゴリズム (G.711 とも呼ばれている) を送受信できなければなりません。その他のオーディオおよびビデオ CODEC は、ネットワーク選択の範囲に適切な、さまざまな標準のビット レート、遅延、および品質オプションを提供します。H.323 を使用すれば、製品は非標準のオーディオおよびビデオ CODEC とネゴシエートすることができます。 以下の段落では、必要とされるオーディオおよびビデオ CODEC (G.711 および H.261)と、NetMeeting 接続 (G.723 および H.263) にとって望ましい 2 つの既定の CODEC について説明しています。これらは、インターネット上でのオーディオおよびビデオ送信に必要な低ビット レート接続を提供します。

    【G.711】
    この CODEC では、オーディオを毎秒 48、56、および 64 キロビット (Kbps) で送信します。この高ビット レート CODEC は、高速接続のオーディオに適しています。

    【G.723】
    この CODEC は、音声通信をネットワークで送受信するために使用される形式とアルゴリズムを指定します。G.723 は、オーディオを 5.3 および 6.3 Kbps で送信する高速 CODEC です。これは、帯域幅使用を軽減します。

    【H.261】
    この CODEC は、ビデオ映像を 64 Kbps (VHS 品質) で送信します。この高ビット レート CODEC は、高速接続でのビデオに適しています。

    【H.263】
    この CODEC は、ビデオ映像をネットワークで送受信するために使用される形式とアルゴリズムを指定します。この CODEC は、一般交換形式 (CIF)、クォータ一般交換形式 (QCIF)、およびサブクォータ一般交換形式 (SQCIF) といった映像形式をサポートし、28.8 Kbps モデムなどの低ビット レート接続によるインターネット送信用としてすぐれています。

T.120プルトコルスタック

  • 下の図は、T.120 アーキテクチャについて示しています。このアーキテクチャは、OSI (開放型システム相互接続) モデルに従います。これにより、接続、データの送信、高レベルのアプリケーション プロトコルとのインタラクションを行うのための、低レベルのネットワーク プロトコルを含む一連の層を指定します。

    T.120プルトコルスタック

  • T.120 は、以下の通信およびアプリケーションの標準とコンポーネントを含む包括的な標準です。

    【T.121】
    この標準は、GAT (汎用アプリケーション テンプレート) を提供します。これは、アプリケーション プロトコルと、アプリケーションが使用するリソースを制御する管理機能とを構築するための一般的な指針のセットを指定します。T.121 は、ファイル転送用の T.127 のようなアプリケーション プロトコルが、以下の機能を実行する方法についても記述します。
    ・会議に自分を登録する。
    ・ローカルおよびリモートで機能を適用する。
    ・ほかのアプリケーションと機能を相互運用し、ネゴシエートする。
    アプリケーションの一貫性を確保するため、T.121 は、T.120 の下で開発された製品に必要とされる標準です。ITU は、標準外のアプリケーションにも T.121 を組み込んで、製品の相互運用性を提供することを推奨しています。

    【T.122】
    この標準は、マルチポイント サービスを定義します。これにより、1 人以上の参加者が、会議の一部としてデータを送信することができます。これらのマルチポイント サービスは、T.125 により実装され、データをトランスポートする機構を提供しています。T.122 標準と T.125 標準が共に、T.120 MCS (マルチポイント通信サービス) を構成しています。T.122 は、さまざまな会議トポロジをサポートしています。詳しい情報については、この章の後にある「トポロジ」を参照してください。

    【T.123】
    この標準は、データのトランスポートとシーケンス、および接続、切断、送受信機能などといったネットワーク上のデータ フロー制御について責任を持ちます。データ トランスポートについて、T.123 標準は、一連のネットワーク インターフェイス プロファイルを定義しています。また T.123 標準は、正確かつ信頼性のあるデータ配信を確保するエラー修正機構を提供しています。 T.123 Annex B は、T.123 データ会議標準に対する追加で、安全なデータ会議のためのプロトコルも定義しています。

    【T.124】
    この標準は、マルチポイント データ会議を開始し、管理するためのGCC (汎用会議制御) を定義しています。GCC は以下の機能を実行します。
    ・情報センターの役割をし、会議の内外でユーザーおよびデータを管理し、進行をモニタして、最新の会議情報を必ず入手できるようにします。
    ・会議参加者とそのアプリケーションの一覧を保持します。GCC は、互換性のあるアプリケーションと機能を識別して、製品を相互運用できるようにします。
    ・MCS リソースを追跡して、会議参加者がファイル転送用の T.127 やアプリケーション共有用の T.128 など複数のアプリケーション プロトコルを使用するときに、競合が発生しないようにします。

    【T.125】
    この標準は、データが会議内でどのように転送されるかについて指定します。T.125 は、データをトランスポートし、正確で効率的な通信を複数のユーザー間で確保するプライベート チャンネルとブロードキャスト チャンネルを定義します。T.125 は、T.122 で定義されているマルチポイント サービスの実装も行います。

    【T.126】
    この標準は、アプリケーションが、複数の会議参加者間での表示や更新のために、ホワイトボード情報を圧縮または非圧縮形式のいずれかで、送受信する方法を指定します。T.126 の役割は、ホワイトボードにより提供されているマルチユーザー作業領域を管理することです。

    【T.127】
    この標準は、ファイルが会議参加者の間で同時転送される方法を定義します。T.127 により、会議中に 1 つ以上のファイルを選択し、圧縮または非圧縮形式で、すべてのまたは選択された参加者に対して転送することができます。

    【T.128】
    この標準は、Microsoft により T.120 標準の追加として提案されたもので、ITU-T (国際電気通信連合 ‐ 電気通信標準化部門) により受け入れられています。T.128 は、プログラム共有プロトコルを指定し、T.120 会議の参加者がローカル プログラムを共有できるようにする方法を定義しています。特に、T.128 は複数の会議参加者を共有プログラム上で表示して、共同作業が実行できるようにします。

LDAPアーキテクチャ

  • 次の図は、LDAP のアーキテクチャを示します。電子メール プログラム、Web ブラウザ、外部プログラムなどの LDAP クライアントは、LDAP サーバーに対してディレクトリ サービス トランザクションを実行できます。会議に参加するユーザーの場所を検索して接続するために、ディレクトリ サービスは次の操作を定義しています。
    ・ログオン、ログオフなど、単純な検索と更新トランザクション
    ・連絡可能なすべてのユーザーを含むディレクトリの一覧の作成
    ・ユーザーのアドレス情報の解決

    LDAPアーキテクチャ


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