国家試験の前日に…(^_^;)

 

いゃあ、初日(10/9夕刻)の都内はひどかったですねぇ。

私が行ったところは、都内中央区晴海。

実は、無線従事者資格である第一級特殊無線技士国家試験受験のために、晴海のホテルへ宿泊していたのです。
なにしろ、試験会場は晴海にある財団法人・日本無線協会がある江間忠ビル3Fの一室ですので、埼玉の僻地から試験当日(10/10朝)に試験会場にいくのだと、時間的に厳しいことがわかってたので、前日に徒歩3分のところにある「ホテル」を予約しておいたと、こういう事情があったわけです。

ところが、まさか「台風」の直撃をくらうとは予想だにしてませんでした。

最寄の駅は都営地下鉄大江戸線「勝どき」駅。
地図はここ↓
http://www.mapion.co.jp/c/f?el=139/46/56.581&scl=25000&size=954,768&uc=1&grp=MapionBB&nl=35/38/58.781

駅に着いたのは午後4時50分ごろ。既に台風は4時ごろに伊豆半島上陸。時速60キロで都内へ進んでいたわけですから実にある意味「ジャストタイミング」

風は音を立てて吹き荒れておりました。雨水はマシンガンのごとく左右から吹きつけ濡らし、容赦なく私の体温を奪おうとする。

既に道は一部「河」と化し、行き交う車のワイパーも大して役には立っていない様子。
そんなことより、自分のほうはその嵐の中、ホテルまで歩いていかなくてはならず、しかも晴海までは途中に「黎明橋」なる橋を越えなくてはならない。みると、風と雨が吹きすさんでいるため、橋自体がぼうっとかすんでいるように見える。

「こりゃまいったな…」と、やもすると飛ばされかねない700円の傘にしがみつきながら途方に暮れていたときに、ちょうど「流し」のタクシーを発見。こりゃ諸天のお使いだとばかりあわてて手を上げてとまってもらい、「ホテル・マリナーズ東京へ。」とお願いする。

運転手の心地よい返事にとりあえず一安心。無事にホテルのロビーに着きました。

功徳、功徳と喜びながらチェックイン。とりあえず七階の客室で一休み。
ところがここで大問題に気がつく。

晴れていれば近くにあるおいしい「うどんの店」で、カツどんのセットでも食べようと思っていたが、部屋の窓から見る外の風景に「うんざり」。

強い風は街路樹をへし折らんばかり。よく見ると外の道は「大河」と化し、走っている乗用車のヘッドライトまでも被らんばかりの水の位置。到底、ガジュアルズックとGパンスタイルでは出歩けるわけがない。

しゃあないので夕食は、多少高価であるがホテル内の高級レストランで済まそうと12階のラウンジへ。
イエローのポロシャツにブラウンのブルゾンじゃ「店内進入禁止」になるかなと恐る恐る入室すると、あにはからんや快く受け入れてくれた。

実はこういう高級レストランは実に生まれて初めての経験。一度だけ、五、六年前に仕事でブラジルへ出張で行った時に、朝食で利用した程度。よって、席については見たものの、心臓はどきどきと高鳴るばかり。

給仕が甲斐甲斐しくメニューを持ってくるが、開いてみてもなにやらワケのわからない料理名がズラリ。何にしようか迷った挙句「ままよ」とばかり、目に付く料理を次々とオーダーする。

「食前酒はいかがしますか?」の問いには、明日の受験を考えれば今日は夜半過ぎまで起きて居るつもりだったので、ここで飲んで酔っ払っては事だと思い、丁重にお断りした。ところが飲み物に困ると思い「ミネラルウォーター」を頼み、それをワイングラスに注いでもらいながら、次々と運んでくるコース料理に舌鼓を打つ。

実際に味の方はそこそこ美味く、なんか無性にうれしくなって次々と料理を平らげてしまった。平らげながら外を見るとなんと風雨はいまや絶好調(!?)

晴れていれば東京タワーからレインボーブリッジ。お台場公園にフジテレビの社屋が見渡せるのだが、余りの風雨のすさまじさに手前にある晴海の中古車販売会社さえ霞むくらい。まさに「暴風雨」のお祭り状態であった。

給仕の方も窓から覗くとひとこと。
「ここらあたりの道は水はけが悪くて、ちょっとした雨が降るとすぐ『河』になっちゃうんですよね。」
「はあ、そうみたいですね。」と私も感心しながら相槌をうつ。
「ここら辺ではね、別名『晴海運河』と呼んでいるんですけどね。そのうち消防車が駆けつけてきますよ。排水のために。」

そう言われてはじめて気づいたのだが、眼下の道は既に「運河」と化していたのだ。時折走るタクシーやハイヤーも速度を落とし、まるで運河の中を泳ぐように進んでいる。都営バスもとりあえず走っているが、四輪のタイヤはほぼ半分以上水中に沈んでいる様子。水を跳ね上げながら、慎重に移動しているのがよくわかった。

そのうち一台の軽自動車が「運河」の中を泳いできた。のろのろと慎重に走っているのだが良く見るとヘッドライトのあたりまで水没していた。
「ありゃ?あれ、危ないな。」と思った直後、突如ハザードランプが点灯し始め、ついに「運河」のど真ん中で停止してしまった。

どうやら「エンスト」したらしい。車の構造からすると、たとえ排気口が水中に没したとしても「エンジン」がかかっていればエンジン内に水が入らないで済むのだが、「エンスト」してしまうとあっという間に水が浸入してしまう。
エンジンに水が入るとたいていのエンジンはOH(オーバーホール。エンジン内清掃も含めた部品交換)しないとかからなくなってしまう。

案の定、軽自動車はそれから朝になっても「放置」されたままになっていた。運転者はバスか徒歩で避難したのだろうが、どうなったのかは知らない。

とりあえず、そのような「惨状」を見ながら食事をすませた。まあ、「他人の不幸は蜜の味」とはいうが、自分は「台風」をしのげる場所で食事をしているだけなので、そういう目の前の「惨状」はまさに「おかず」としては最高だった。

そのうち雨も弱くなり、レインボーブリッジが見え始め、やがて「お台場公園」「フジテレビ社屋」も見えてきて、見事な夜景が「復活」してきた。それは実にあでやかなもので、彼女なりが居れば最高なんだろうなと思いながら、デザートのショコラケーキとココナッツミルクのプディングを口にしていた。

部屋に戻ると既に雨は上がったようだ。そらも雲が切れ、星さえも見えたほどだ。ニュースを見てみると台風は既に千葉県を通り過ぎ、茨城県から太平洋側に抜けようとしていたようだ。風は依然として強かったがそれも次第に弱まり、夜半ごろには風さえも収まっていた。

そのころ私は明日の試験に備え、問題集を眺めていたのだが、ちょうど小腹も空いていたので予めルームサービスで頼んでおいた「寿司」をほおばりながら、窓辺に立ち、いまだ水が引かない「運河」の真ん中にある「軽自動車」を見ていたのである。

まあ、こんなところが私の「台風体験記」と言うところですね。

ちなみに翌日の試験は「なんとなく」って感じで済ませました。ただ、合格しているかどうかは微妙でして。
もし、事前に「問題集」を見ていなかったら「書けなかった」問題も多々ありまして。

とりあえずは「結果待ち」ってところです。

「合格」したら、ここでまた発表したいと思います。ただ、「不合格」だったら『黙って』いるつもりですので、今月末までに話題にならなかったら「不合格」だったと思ってください。

それでは。

舞雨 寛
(2004年10月11日発表)

>追伸

後日、試験結果が届き、無事国家試験は合格しました。(*^^)v


戻る