トミー:「半分ずつですか?」
私:「そう」
実は経費削減で一つの駄菓子をみんなで分け合うことにしたのだ。
ぺりぺり包装を剥がす一同。
私:「実は俺、ここらへんの駄菓子も食ったことないんだ」
と言って蒲焼きさん太郎を口に入れる私。
私:
私:「なんだこれ!気分悪くなるー!」
なにかの間違いかと思い、もう一切れ口に入れる。
私:
のけぞる私。
私:「なんでこんなチープな駄菓子が人気あるんだ!」
その時、わさびのり太郎を試食していたトミーが声を上げた。
トミー:「ん!辛いですよ!これ!」
私:「ほんと?」
チーフ:「うん。わさび、凄いね」
トミー:「わさびですよ。かなり辛い」
私:「蒲焼き、まずい」
続いて私は酢だこさん太郎に手を出す。
包装を剥いたとたんにつーんとした香りが。
私:「ん!鼻にくる!これ」
乾燥している蒲焼きさん太郎と違って、汁だくの酢だこさん太郎に怖じ気づく。が意を決して口に入れる。
私:
酸っぱすぎ!
身体をよじって悶えまくる私を見て、チーフが一言。
チーフ:「僕、酢だこさん太郎好きなんですけど」
私:「す、酢だこが?まじ?」
口直しにわさびのり太郎に手を出す。そんな私を見てトミーが一言。
トミー:「わさびは、これ、子供食えないですよ」
私:「でも、良く売れてんじゃん」
口の中にわさびのり太郎を放り込む。
私:
天を仰ぐ私。
私:「うう、嫌がらせみたいな味だー」
チーフ:
私:「え?なにが?」
チーフ:「全部」
私:「うそ」
チーフ:「なんでこれをまずいというのか僕には分からないですね」
私:「たぶん、俺、こういう味濃いの駄目なんだよ」
といって続いて焼き肉さん太郎に手を出す。
トミー:「焼き肉より蒲焼きの方がなんか独特の味がありません?」
私:「お。俺、焼き肉の方が食える!」
トミー:「焼き肉あっさりしている」
私:「うん。俺、薄味派なのかな?ひょっとして」
そのとき、突然今まで沈黙していたレミーが、けほんけほんと噎せだした。
私:「なに、何食ったのレミー」
レミー:「ワサビ」
私:「あはははは」
そんなふうになごみながら、同時にのし梅さん太郎に手を出す私とトミー。
トミー:「うん!のし梅さん、酸っぺえ!」
私:「でも、香りが良いから酢だこさんより食えるよ、俺」
チーフ:
食いまくるチーフ。
トミー:「酢だこの酸っぱさよりのし梅の酸っぱさの方がいいですね」
私:「うん、上品に感じるよね。梅のせいで」
チーフ:「誰もコメントしないんですか?」
私:「じゃあ、そろそろまとめますか。どれが一番旨かったですか?俺、焼き肉さん」
私:「で、一番駄目だったのが酢だこさん」
トミー:「俺、一番おいしかったのが蒲焼きで、一番駄目だったのがわさびですね」
チーフ:「俺、ナンバーワンは酢だこですね。ナンバーツーのし梅」
トミー:「いや、わさび・のし梅は(人によって意見が)分かれるよ」
レミー:「Worst One 、ワサビ」
チーフ:「どっちかっていうとね。このパリパリ(蒲焼き・焼き肉・わさび)のよりね。このしっとり(酢だこ・のし梅)の方が俺は好きなの」
チーフ:「わさびは大人の味です」
チーフ:「蒲焼き、焼き肉は平凡ですね」
トミー:「蒲焼きの方がクセがあるかな」
私:「レミー、どうナンバーワンは」
レミー:「Me?」
私:「うん」
レミー:「ヤキニク」
私:「なるほど。と、こんなところですかね、今回は」