HIPPO 井内Famille Carta
No113(1996.9.2 → 9.20改版)
今日から2学期の始まりです。みなさんの夏休みはどんな感じでしたか?
私はルクセンブルグとイギリスへ計3週間行っていたので、涼しくて、実りの多い夏でした。HIPPOのみんなも各国から元気に明るい笑顔で帰国し、いろいろな話題が飛びかって、又、活気あふれる活動になってきました。又、日本で受け入れをして楽しんだ人達も、海外へ出かけた人達と同じ様な体験をして、人間、どこも同じだね!という感覚を肌で感じたことでしょう。
さて、この夏私が一番強く感じたことは、HIPPOの多言語活動をしている、この“日常活動”の凄さなのです。
ルクセンブルグの青少年交流、及びそのホームステイを通して、又、はじめてのイギリス交流を創っていくにあたって、HIPPOの“今”を共有している仲間達の柔軟さ、何語であれ“ことば”を壁にせず、どんどん“かけ橋”にして“人”とつながっていく姿。
その態度を見て、HOST家族達もどんどん自分を出し、私達を好きになってくれ、そしてうれしく声をかけてくれるのです。−−−そんな中にいると(嬉しい人と嬉しいことばの飛びかう空間)、1週間一緒に生活するだけで、『私、この人達のことば(ルクセンブルグ語etc.‥‥)、あと1週間〜1ヶ月この状態にして置いてもらえたら、絶対しゃべれるようになる!!』と確信したのです。−−−アッ、コレッて、普段のファミリー活動そのものなんだな!と気がついたのです。何だかわけのわからない多言語がグワーンと聞こえてくる。その中で嬉しそうに口まねしたり、おしゃべり(自分の大好きな音で)している人もいて、歌ったり、踊ったりも最初はチョッと入りづらかったけど、エィッ!と一緒に遊んでしまえば身体にその国のことばのリズムがバンバン響いてきて、(楽しそうに唱ったり踊ったりしている人の顔を見ていると自分もやりたくなってしまう‥‥)−−−そして真似しているだけで、それが“ことば”になっている!!
週1回〜2回、ホントに楽しく遊ぶために家でTapeをB.G.Mのように流しておいたり、時々は口真似して家族であそんでいたり‥‥You must!とか、I must!と思った途端に遊べなくなる! If you want,join us please! そして全てI want!の気持で素直に遊んだ時、一番面白くて、一番学ぶのですね!!
誰でも、人間なら、その環境さえあればことばができるようになる、ということはどういうことかな〜と考えていました。
少人数制でとか外人と1対1でとか、昔英会話でやった時、宿題があったりチェックされたりとか緊張ばかりして、本当にその人と心から仲良しになるのでなく、英語ということばを人間のところから切りはなしてBusinessとして教えてくれるプロの人だった。それは私がルクセンブルグやU.Kで体験したのと根本的なところが異っている。沢山の嬉しい人にどんどん会わせてくれた家族達!!最初は、日本へ行くのは遠いし高い!と言っていた人達が、帰る頃には皆、お金を貯めて日本へ必ず行くから!!と約束してくれる。−−−それは、HIPPOに入る前はどこも遠くて高い国だったのに、いつのまにか行きたい国、近くて安い国に変わっている自分達と同じかな?と思うのです。−−−
そして、イギリスへ英語を習いに行ったのではなく、人に会いに行った私達はU.Kの人達の1人1人異る個性あふれる英語にふれて、英語もタイ語のような“人”のことばになったのです。“発音”といい、“文法”といい、ホントにそれぞれの人達!!一体、私達が学校で習って×ばかりもらったあの“英語”とは、何だったのかな〜と考えています。
そしてルクセンブルグの若者、そしてその両親、及びイギリス(U.K)のDavid達が口を揃えて言ったことは、“是非、HIPPO世界ネットワークCampをやって欲しい”“これほどのネットワークを持って、ことばと人間をやっているGroupは世界中どこをさがしてもない”“自分達もHIPPOのネットワークの中でことばもできるようになりたいし、世界中の人達と出会って行きたい”“夢は1人では実現しないけど、みんなでやればできるよ!!”etc.‥‥
大きな大きなメッセージでした。日本へ来たい、でも彼等は日本だけを見にきたいのではなく、HIPPOのネットワークの中で体験したい。地球規模の発想でことばと人間を見て、多言語を通して何か新しいものをさぐっている姿が気に入っているのです。
つくづくHIPPOというのは“英会話教室”に毛のはえたようなものではないのだ、ということを実感しました。
帰国後、このことを榊原さんに話しに行ったところ、サカッチャンはじっと聞いたあと、“やりましょうね!! でも、何をやるにも資金が必要なのです。HIPPOの資金源は会費&Tape代etc.なのだから、まず会員をふやすこと!! みんなで考えてゆきましょう。そしてHIPPOの中から“外国語”ということばと“外国人”ということばを消してゆきましょう。 ネ! そういうことでしょ!”と言われたのです。
改めて、“外国語”と“外国人”ということばを消す意味を考えた時、これは大きなことだなぁと考えています。
でも、私はまだまだ、外国語と思っていたり、外国人と思っている部分を持っているな〜と思っているのです。もっともっと“赤ちゃん”の所を通って“ことば”を獲得していった時、いつのまにか多言語になっているだろうし、(誰もが)人間らしい、人間になっているのでしょうね。人間は死ぬまで、新しいことばを獲得してゆくのですね。ソノ子のタイトルの
“ヒッポはヒッポ”
Hippo's a Hippo
“僕達とってもステキな仲間”
We are something special
の意味が解ってきたきたような気がしています。楽しく“ヒッポ”をやってゆきましょう!!
(インフォメーションおよびカレンダーは省略)
このCartaは、わかちゃんが手書きで書いてみんなに配っているものを、僕が入力したものです。できるだけ原文に忠実にしてありますが、イラストは省略しました。この号にかぎり、改版した都合上、インフォメーションが省略してあります。
1996.9.20
西武線地域・井内F・コッキリ
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