HIPPO 井内Famille Carta

No147(2000.5.21)


 i Estoy aqui ! ただいま〜
 1ヶ月間の“メキシコHIPPOの環境作り”に行ってきました。12年前にメキシコ交流パイオニア隊として2週間(ちわわとメキシコシティ(D.F))に行って以来、2回目のメキシコでした。
 私にとってはアッという間の12年間だったのですが、改めてこの間のHIPPOの成長ぶりを肌で感じることができ、又、HIPPOの未来の拡がりを確信できる旅となりました。

◎スペイン語のこと
 何も解らず、ただメキシコへ行ってみたいという思いだけで飛び込んだ第1回目は、まさしくBéBéそのもの。SiとNoとGraciasぐらいで、あとはHIPPOのTapeのカバジンの中のエーヘーエストヤキーとか、ヤロヘビストとか、ウニポポヌンカデベカエセボカリーバ!、ケソヨぐらいで、あとはトロロイモのようにつながって何が何だか解らない波のウナルような音だけ。でも、ソノ子のTapeのなかのウデガナールとヌンカビアビスト、ウンコーチェデカバーヨ、タンボニートスコマケーヨ!というのは波が面白くて、みんなで笑いコケながら(中味の意味がサッパリわからないけど、なんだか言えると楽しいし、みんなの顔がオカシイ!)言っていたのを覚えています。そして、いざメキシコへ着いてみると、サッパリわからない!ヴァーモノス!と言われてもSi、No、Si−とわけわからず小犬のように連いて行ったり、今回講師で参加の鈴木堅史さん(ケンチ、NY在住)だって、第一回目一緒に参加した時は、私と同じで“クァントス アニヨス ティエネス?”と聞かれて、Si,Si!と答えていた!! HIPPOのみんながそんな状態!!でも、心(コラソン)だけは熱くて、人とつながる気持、まっすぐ人にむかい、BéBéが先生という多言語の活動をやってるんだという想いと、メヒコにもこのHIPPOの活動が生れて欲しいという気持はいっぱいで、チワワでもD.FでもSADAをしたりメタ活したり、お土産にHIPPOのTapeを沢山持って行ったのを覚えています。
 その芽が少しずつ育って、(その時に出会ったハヴィエル、マルタが……そしてそのHost達が今のメキシコHIPPOを創っているのです)……
 今回、私も自分の耳を疑う程、よくことばが解るのと、自分の言いたいことは全部言える(勿論、時々サッパリわからないこともあったけど…)のに驚きました。そして、ケンチは何と、みんなの笑いをとりながら、とても上手なスペイン語で講演もしてしまっているのです。
 では、この間私達は何をしてきたか?というと、ウソでなくHIPPOのTapeを流し、必ずファミリーで人に会い、外へむかってまだHIPPOを知らない人達に熱い想いをぶつけ(想いが伝わらず何度も何度も打ちのめされながら)てきただけなのです。“伝えたい”という何かを強くもつことは、年令に関係なく、ことばを育てるのですね。
◎Year Long(高校一年間留学)のこと
 今回、初めてのHIPPOのメキシコY.L生として高岡まやちゃんがいました。丁度、セマナサンタという一年間でクリスマスに次ぐ長期休暇と、国の祝日週間私はメキシコに居たので、Y.L生活まっただ中のまやちゃんの様子がよく解りました。強く想ったことは、Year Longと、他の交流とはが違うということ。どっぷりと他人の生活の中に入りながら自分を出してゆく、この関係性を創ってゆくのは1〜2週間のHOME STAYとは雲泥の差で、短期なら少々無理しても、お互いガマンしながらでも何とか過ぎるけれど、1年間というと、とても高度なこと。その上に、現地の高校生活…勉強…単位取得…友人との関係、学校の先生との関係、地域との関係も創ってゆくわけですから…もう、これを乗りこえているY.L生はエライ!!大したもの!!と心からほめてあげたいと思います。その中で、ありとあらゆる人達の愛に支えられて乗りこえてゆくのです。こんなに凄い経験は、人生の中でも大イベントです。日本を一歩外へ出た途端に“ことば”に直面するのです。日本の中でヌクヌクと我まま放題で甘えてすごしていると、そのギャップは大きく自分との戦いも大変なことです。でも、ギリギリの絶壁に立ちながら自分の100%でがんばるこの体験は、何物にも代え難い大きな財産として、人間を成長させてくれるのです。できれば、どの子供にも参加してもらいたい!!と切に思いました。
 まやちゃんはスペイン語も現地人と変わらない上、人に対するふるまいも、自分を見つめ直して、人との関係性を創ることででも、大きく成長していました。そして思ったことは
◎Year Longのことは正にチビちゃん達のこと!!ということです。
 メキシコの人達から、たったの8ヶ月でこんなに自然なスペイン語をしゃべることができるなんて信じられない!!と言われていたまやちゃんは、小さい時から親がTapeをかけ、HIPPOの環境作りをウマズタユマズやってきたという中で育ったのです。
 今回、帰国したらニュースの話題になっていたのが17才の少年のBusジャックや主婦殺害のことでした。こういう犯罪が起る大人の環境作りは何だったのでしょう?この差は大きいなーと思いました。
 子供だけでことばが育つことはありません。家族でやっているHIPPOだからできる世界です。逆にHIPPOでしかできない世界が見えてきたののも、今回のメキシコ1ヶ月で見つけたことです。ことばができるというのには、長ーい時間が必要なのです。そう、急にはできないのです。親が本気になって、自分事として、ことばと人間に向かった時、はじめて、ウソでなく子供達のことばも育つのです。どういう子供を育てたいのか?自分の人生はどうありたいのか?17才になってバタバタしても遅すぎるのです。まやちゃんのような子が1人だけいてもダメなのです。同じ様な子が100人いた時に、まやちゃんももっともっと大きくなれるし、みんなももっとことばのできる、いい人間として大きく成長してゆけるのです。誰かが環境を創ってくれるわけではないのです。まず、自分の家から一歩ふみだしてゆきましょう。Tapeききましょう!!そして、1人ではできないので、沢山の仲間の中で、ラクちんに楽しく……!!何でも解らないからとアキラめないで、その中の小さな音1つでも見つけたらうれしくなれるでしょ!!プロセスそのものが“ことば”です。どんなに小さなことでも見つけたこと、や嬉しかったことは人(HIPPO大好きな人)に発信して下さいね!きっと嬉しさ×嬉しさになって数倍になって自分に戻ってくることでしょう。(詳しいことは、私がメキシコから送ったレポート(別紙)を読んで下さい。)(コッキリより注:このレポート、インターネット上のどこかにないでしょうか?誰かがすでにパソコンで打ってくれたようですが・・・見つけたら連絡下さい。リンクをはるか、ここに掲載するか、したいので。)
◎NY、ボストンのケンチ達やメヒコのハヴィエル達のように、まっすぐ妥協することなくことば(人間)にむかいましょう!!

 レポートにない、メキシコのこと。

◎人と人との間が密!
(Hugをしたり、Besoをしたり、肌のぬくもりを感じ合いながら生活している。)…BéBéやチビの時代だけでなく、大きくなっても…だから挨拶の時にKissが大切!カンパツ入れず、Gracias!や、人の前を通る時にはコンプロミソ、クシャミをしたらサルー!、返事のGracias!
 ※But,すごーい田舎(ベルナルドパパのふるさと)へ行きました。そこでは皆、情熱的な目でジーッと見るけれど、決して自分から握手したりHugしたりBesoすることがなく、ことばもない。思いはいっぱいあるんだけど……そう、お地蔵様の感じ!!都会と田舎は、多分多言語(多彩な人がいる)と単言語(村の人だけ)のちがいだろうと思いました。
◎生きる力に溢れている
(車はポンコツ(1970年代のアメ車も走っている)でもよーく走る!途中でガタンと音がしても、道路もデコボコが多いのであまり気にしない。5人のりに8人のっても大丈夫−メヒコにいると、これが当たり前なのでコワクない!信号待ちの時、車の間をぬって子供が花や菓子やいろいろな物を売りにくる。曲芸している人もいて(見た人に小銭を集めに来る)メヒコでは目の見えない人が大きな声で歌を唄って、小銭集めをしている(目の見えない人が多い!ホントは見える人らしい!)
 −韓国のももちゃんが思わず言ったことば。
“こんな所ハヴィエル達はちゃんとHIPPOを作っているんだから、韓国ではできない、なんて言えない!!”
◎メキシコの人の中に入っていかない日本人が多い
リセオの日本人達にたづねると、まずスペイン語ができない。主人と子供の世話、教育、おけいこ事で精一杯。1人で運転できない(特に夜)。数年で日本に帰国するのでその準備…なんだか、みんな日本ばかりむいていて、閉じてる感じ。HIPPOのことは、7人中4人が日本でポスターを見た、聞いたことはある、But,中味はよく知らない−一度、日本人ばかり集めて、日本語で講演会をするといいと思う!スペイン語習いに行っていて、まちがってはいけないという思いが強いので(笑われる、バカにされる)コワくてスペイン語がしゃべれない!!
 きっと、私のスペイン語聞いて度胸の良さにドギモをぬかれたことでしょう!
◎母の日は毎年5月10日ときまっている
平日なので、どこの学校も la dia de MaMaの行事がいっぱい。リセオの行事に行ったけど、大きな講堂いっぱいの人(父母)で、自分の子供のみしか目に入っていないかの様な声援を送る、口ぶえ、ヒューヒュー!!(我が子の名前呼んで)
 終日、人に会うとフェリシダーデス!とあいさつする。
◎日本系企業で働いているメキシコ人の感想
日本人はキライ。休みなく働かせるし、コワイ顔で早く早くといつも言う。上司の日本人はスペイン語も英語も全く話せず、日本語のみで通訳をつかう。アメリカ人の方がまだまし!!でもお金のためにがんばる。HIPPOの人は日本人ではないみたい。
◎ハヴィエルとマルタは3人の子供(7才、5才、2才)の子をかかえて、よく頑張る!!2才のハヴィエル君、生キズが絶えない。マルタ、テンゴミエドー、コラソン デ ポヨー!!(ニワトリの心はオク病者!)

(コッキリより注)
 FELIZ INFORMACION(うれしいニュース)、ATTENTION PLEASE(お知らせ)、カレンダーは省略しました。
 ところで、実物のカルタのカレンダーに、6月15日コッキリ帰国、と書かれていますが、何かのまちがいです(^^;)。6月22日が大学の卒業式、6月30日がビザが切れる日なので、その間に帰国します。今のところ、6月28日の予定です。

 このCartaは、わかちゃんが手書きで書いてみんなに配っているものを、僕が入力したものです。できるだけ原文に忠実にしてありますが、イラストは省略し、電話番号などの個人情報は伏せてあります。インターネットでも読むことができます。
URL: http://www2h.biglobe.ne.jp/~zou/news147.htm


2000.5.30 韓国・ソウルの下宿部屋にて
西武線地域・井内F・コッキリ

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