HIPPO 井内Famille Carta

No150(2000.11.5)


 一昨日(11月3日)の文化の日の読売新聞朝刊に、今だかつて、これ程大きな記事を見たことがない様な、教育関係の記事が多くの紙面を使って載りました。タイトルは「知」と「心」ともに重視−教育改革本社提言“新世紀の担い手 育てるために”という文字が大きな見出しで、まず目に飛び込んできました。そして、21世紀を担う子どもたちに、社会生活のルールを教え、その上で高度な国際化社会を生き抜く資質を身につけさせなければならない。…etc.…そして、社説の冒頭に「子どもが、どこかおかしくなっていないか。このままで来世紀の日本は大丈夫か。そんな危機意識から、本社は教育提言を行った。」…etc.…そして、6提言の中に「『多様な才能を“平等”でつぶすな』人がそれぞれ違うことを認め、大事にする教育への転換が急務だ」…etc.…ずーっと読み進んでいく中で、基本的には同意できる所が多々あります。でも、どうも一貫して流れているのが“子ども”をどうするか?ということばかりで、大人の自分達がどう視点を変えて、自分自身が“個性化”や“多様化”の考え方ができて、かつ実行していくことを考えないと、只言っていても、実は結ばないなーっと思ったのです。そして、驚いたことに、国際共通語は“英語”だから、母国語を身につけた上で、外国語としての英語を小3から導入しようという提案でした。…確かに英語ぐらい当り前にできる子にしたいと思って、私も30数年前にこの活動を始めました。でも、英語を外国語として学んでいる限り、どこまで行っても日本人の真の語学力(人間としての)は、つかないものだと事を、誰もが知っているのに。〜あ〜あ、また、そこからの出発ですか〜?
発想の転換(外国語ではなく母語の環境作りを)をして、HIPPOは20年を迎えようとしています。まだまだこれから、沢山の人と見つけていくことが大切ですね。

※先月、栄小学校30周年記念の式典に出席してきました。校長先生の話や、5、6年生の子供達の人の話を聞く態度、そして歌でつづり、唱ってゆく30年史に大変感動しました。その時に、教育委員長、校長先生、市長…etc.…沢山の方々の祝辞とお話がありました。どの人の話の中にも、21世紀にむかって世界へ羽ばたく人間に!世界に通用する人に!というのがあって、子供達の希望の中にも、そのことが多々でてきました。正に世の中はその方向に動いていることだけは確かです。でも、実際には、自分の足で立ち、自分のことば(意見)をはっきり表現できる人間作りをすること、同時に相手を認め、相手のことばで、その人の心に入ることばを言うことができることが大切なのですね。(まず、大人の自分自身が一歩ふみだしましょう!)

※先日、沢山の人が清瀬JICEの一泊ホームステイの受け入れをして下さいました。(19カ国24名) 担当のJICAの方や、結核研究所国際協力部の方より、こんな御礼のFAXが入っています。“今回は、ガーナやカンボジア他の人達の中に、日本人に対するカタクナなまでの偏見(日本人はコワイ、冷たいetc.…)があって困っていたのですが、HIPPOのお蔭で1晩にしてその偏見がなくなり、“自分の国へ帰った様に暖かく、同じ人間を感じた。”と言っています。日本での研修の中で、一番印象に残ったことは?と最後の日にたづねた所、全員がHIPPOのホームステイを挙げました。”とのことです。
ほんとに、土曜日のHIPPOの時もみんながカンボジアのことばやマラウイのことば、そしてガーナのトウィ語etc.…各々の国の彼等の母語で話をしたくて、大奮闘しながら仲良しになっていっている姿を、この感謝のFAXを読みながら思い出しました。
こんなことは、家族でやっているから、多言語の自然習得(BéBéが先生)だから、大人も子供も、どの国の人とも平らに、“人間”の生きたことばができるのですね。HIPPO以外に、こんな活動をしている所は他に知りません。
※又、新聞の教育提言特集に戻りますが、その中で俳優の高倉健氏が子ども達に向けて書かれた中で、特に印象的だったのは“僕が40数年辛抱して走り続けられたのは、たとえ心の中でだけになってしまっても(父も母も、おうこの世にいない)、母の顔とともに「辛抱ばい」という言葉があったからだ”というところです。「辛抱ばい」という方言の中に言いつくせない程のことばが含まれているのです。

◎多言語をやるということは、地球上、全ての人間の方言を大切にする“人がそれぞれ違うことを認め、大事にする教育”以外の何ものでもないし、「知」と「心」を同時に重視しているのが、この“自然習得”のことば、そのものなのです。つい、目先のことばかりに追われて英語の単語の数だけで人を計ってしまうような小さな人間にならず、もっと遠くを見て、世界に通用する人間の土台作りをしましょう。地球のウラ側に行っても、“人間”がいるだけなのですから。

※とりあえず、Tapeを流して多言語にふれて下さいね!そして時間の許す限りファミリー活動にでてきて、人に出会って、カタコトの自分のことばを発信して下さい。そして、自分のまわりにいい環境ができればできる程、楽に多言語が話せるし、生きてゆくのが何倍も楽しくなります。まず、自分の家族、友人、知り合いに講演会のちらしを渡して、話を聞きに来てもらって下さい!!(本気で続けてやれば、誰もが英語のみならず他のことばも必ずできます。)

※「多言語の世界をひらく」(赤ちゃんとことばの不思議)のミニパンフレットができました。1部20円で、誰にでもあげられるし、内容がとてもいいのでまず一部同封します。もし、何部も欲しい人があれば、わかちゃんに言って下さい。(本部で買ってきます。)

※秋の夜長ですね。ホッとした時に、タマには「ことばを歌えこども達」や「部分と全体」、「フーリエの冒険」「DNAの冒険」「人麻呂の暗号」「古事記の暗号」etc.…の本をペラペラめくって拾い読みでもしてみてください。きっと、ハッ!とすることがあって、とても面白いですよ!!(みんな自分のこと、そして子供のこと、ホメていますか?BéBéはホメられながら、ことばが育つのです!)


(コッキリより注)
 FELIZ INFORMACION(うれしいニュース)、ATTENTION PLEASE(お知らせ)、カレンダーは省略しました。

 このCartaは、わかちゃんが手書きで書いてみんなに配っているものを、僕が入力したものです。できるだけ原文に忠実にしてありますが、イラストは省略し、電話番号などの個人情報は伏せてあります。インターネットでも読むことができます。
URL: http://www2h.biglobe.ne.jp/~zou/news151.htm


2000.11.10
西武線地域・井内F・コッキリ

井内F、西武線のニュース目次に戻る

ホームページ(TOP)に戻る