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アサギマダラ・ニュース No.45

            

アサギマダラ大移動研究会

        〒890 鹿児島市明和4−5−32 福田晴夫方
1997年1月5日発行
TEL&FAX.099-***-****, E-mail:tefutefu@po.synapse.or.jp



1996年の成果を振り返る


 賑やかだった1996年のアサギマダラをめぐる話題を10項目に総括して見た。順位はつけられないほど各項が面白い。

 1 南下出発地の北限が宮城県蔵王町にまで伸びた。知多半島で再捕獲。

 2 兵庫・鳥取県(氷ノ山)から長崎県(西彼杵半島)へのルートが示唆された。1993年滋賀県比良山からの記録に類似している。

 3 喜界島で本州(愛知・滋賀県)からの移動個体が3頭再捕獲された。これで本州から喜界島への移動は12例となった。

 4 愛知県知多半島が移動の拠点として重要であることが確認された。到着地(または中継地)として宮城県蔵王山および滋賀県比良山からの各1例、出発地として喜界島への3例、和歌山県すさみ町への1例が出た。

 5 中距離・近距離の夏の移動がかなり頻繁に起こり、それらにあまり方向性がない(?)ことが示唆された。これまでも北方への移動例として1995年の静岡県→長野県、奈良県→滋賀県などがあったが、1996年は滋賀県比良山から東の知多半島へ出た個体と南西の紀伊半島(日高町)へ飛んだ個体がいて注目された。また数キロ程度の相互移動を含む近距離移動が、紀伊半島の大和葛城山⇔金剛山・和佐又山、滋賀県比良山⇔打身山で20例近くが報告された。秋には知多半島内や知多→神島の記録も出た。内由孝氏(1996)は比良山などの記録から7月中旬から8月下旬までの「夏の期間」を”自由往来’’または”放浪”と呼び、「秋の渡り」は8月下旬から9月初旬に始まると推定しておられる。

 6 活躍した組識は大阪の「アサギマダラを調べる会」、「三重だんごむしの会」、名古屋・静岡昆虫同好会なとの常連のほか、知多半島で行われた「藤井セミナーのマーキング会」(窪田宣和氏ら指導)、「内海フォレストパーク主催のマーキング会」(田中洋氏ら指導)が注目された。これらへの参加者がいわゆる虫屋だけでなく、児童や主婦なと一般の人であったことは、今後の取り組みについて明るい展望が開けたように思われる。

 7 活躍した個人としては滋賀県比良山で7月19日から9月1日までに1859頭にマークされた内田孝氏、昨年の3000頭よりは少ないが偉大なる記録である。このほか大阪のメンバーでは秋山邦彦・細井孝昭氏らの活躍が目だった。喜界島の旭栄子さんは奄美大島に転居されたにもかかわらず、帰省して例年通りの成果をあげられた。組織の力もさることながら、個人の力がいかに大きいかを改めて思う。

 8 表面には出にくいが各地で地道なマーキング活動は続いた。いわば報われなかったとも言えるこれらの記録は、視点を変えれば何かを語り始めたとも言える。なぜ、四国や九州や南西諸島のマーク虫はこんなにも再捕獲されないのか。新しい課題が突きつけられた年でもあった。

 9 全国的に夏の発生は少なかったのだろうか。内田孝氏のお便りによれば「今年は全国的に気候が不順であったためでしょうか、(比良山でも)8月上旬の最盛期に急に数が減少し、その後の回復も思わしくなく、そのまま秋に突入してしまったような気がします」という。個体数変動の原図は究明したいが、その前に各地での個体数を記録する方法論の問題もある。

10 春の長距離移動の北上個体はやはり再捕獲きれなかった。その中で1991年の迷宮入の個体r吉田」が、尾形之善氏の電話帳からのハガキ作戦というユニークな方法で解決したことは喜ばしい。西之表市から三重県安濃町への移動であった。

             (福田晴夫)



1996年のその後の新記録2例


 いずれも新聞や「アサギマダラ情報」(189)などに出ているが、旭さんから標本をあずかり、内田・桑山氏から発表を快諾されたのでここに記した。

            (福田晴夫)




HARUO FUKUDA(Meiwa 4−5−32, Kagoshima, 980, JAPAN)



発行不定期、会費不要、投稿・情報歓迎。本紙の入手希望者は、封筒に80円切手を貼り、自分のアドレスを記入して送っておくこと。(切手だけでは困りますので、よろしく)



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 このページは「アサギマダラ大移動研究会」の福田晴夫さんの全面的なご協力によって、作成したものです。この場を借りて、お礼申し上げます。

 アサギマダラの移動に興味をもたれた方は、是非、マーキング調査に御参加下さい。簡単なやり方を覚えれば、誰でも参加できます。マーキングの仕方は、近日中にこのホームページで紹介する予定です。
 なお、このページならびにアサギマダラに関するご質問、お問い合わせは 藤井 恒 または 福田晴夫さん までお願いします。


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