SCSIエミュレーション

SCSIエミュレーションとは

  • SCSIエミュレーションは、ATAPI(IDE)接続の機器(CD-ROM/R/R/W等)をSCSI機器としてで使える様にするための技術です。SCSIエミュレーションを利用すると、ATAPI(IDE)接続の機器を使ってSCSI機器を前提にしたアプリケーションを動かす事が出来る様になります。
  • 例えば、MP3作成のためのリッパー「cdda2wav」とか、CD-R作成ソフト「cdrecord」等が利用できる様になります。

SCSIエミュレーションのインストール

  • SCSIエミュレーションのためには、以下のドライバモジュールがカーネル組込みか、モジュールとして組込まれる必要があります。組込み状況は、/usr/src/linuxディレクトリに移動して「make xconfig」コマンドを実行すると「Linux Kernel Configuration」画面で確認します。Red Hat Linux7Jでは、以下の様になっていました。ここで、「m」はモジュール組込で、「y」はKernel組込みを示しています。
    • BLOCK device 設定
      設定項目 モジュール名 組込み状況
      Enhanced IDE/MFM/RLL disk/cdrom/tape/floppy support ide y
      Include IDE/ATAPI CDROM support ide-cd m
      SCSI emulation support ide-scsi m
    • SCSI support 設定
      設定項目 モジュール名 組込み状況
      SCSI support scsi_mod y
      SCSI CD-ROM support sr_mod y
      SCSI generic support sg m


  • 上記で、モジュール組込み「m」となっているモジュールを組込むため、/etc/rc.d/rc.localに下記を追加します。

      modprobe ide-cd
  modprobe ide-scsi
  modprobe sg
  • CD-ROMをIDEデバイスとして認識しない様にするため、lilo.confに下記を追加します。lilo.confの全体はこちらを参照して下さい。

    　append="hdc=idc-scsi hdd=idc-scsi"
  • CD-ROMのシンボリックリンクをIDEからSCSIデバイスに変更します。通常は、cdromのみでいいはずです。私のマシンでは、なぜか使用していないcdrom1も認識される現象があり、cdrom1も追加しています。経緯については、linux-usersメーリングリストのこのスレッドを参照して下さい。

      #rm /dev/cdrom    <-　/dev/hdcからリンクしていたもの
  #rm /dev/cdrom1   <-　/dev/hddからリンクしていたもの
  #ln -s /dev/scd0 /dev/cdrom
  #ln -s /dev/scd1 /dev/cdrom1

インストール後の確認

  • 再起動後、dmesgコマンドでSCSIデバイスとして認識されている事を確認します。

    # dmesg
Linux version 2.2.16-22 (root@porky.devel.redhat.com) (gcc version egcs-2.91.66 19990314/Linux (egcs-1.1.2 release)) #1 Tue Aug 22 16:49:06 EDT 2000
Detected 736036 kHz processor.
ide_setup: hdc=ide-scsi　　　<-LILOで設定した部分
ide_setup: hdd=ide-scsi　　　<-LILOで設定した部分
（途中略）
ncr53c8xx: at PCI bus 0, device 10, function 0
ncr53c8xx: 53c815 detected 
ncr53c815-0: rev=0x04, base=0xdf800000, io_port=0xb800, irq=5
ncr53c815-0: ID 7, Fast-10, Parity Checking
ncr53c815-0: restart (scsi reset).
scsi0 : ncr53c8xx - version 3.2a-2　　　<-こちらは本物のSCSIボード
scsi : 1 host.
（途中略）
scsi1 : SCSI host adapter emulation for IDE ATAPI devices　<-SCSIエミュレーションで認識
scsi : 2 hosts.　　　　　　　　　　　　<-本来は1となるべきところ
  Vendor: MATSHITA  Model: CD-RW  CW-7585    Rev: 1.04　　　<-認識されたCD-ROM
  Type:   CD-ROM                             ANSI SCSI revision: 02
Detected scsi CD-ROM sr0 at scsi1, channel 0, id 0, lun 0
hdd: status error: status=0x01 { Error }　　　<-なぜか認識される2台目のデバイス
hdd: status error: error=0x04
ide-scsi: Strange, packet command initiated yet DRQ isn't asserted
（途中略）
sr0: scsi3-mmc drive: 8x/32x writer cd/rw xa/form2 cdda tray

  • mountコマンドでCD-ROMがマウントできる事を確認します。

    # mount -t iso9660 -r /dev/cdrom /mnt/cdrom

  • cdrecordコマンドがインストールされていれば接続状態が確認できます。cdrecordコマンドは、Red Hat Linux7Jではフルインストールしていれば組込まれています。

    # cdrecord -scanbus
Cdrecord 1.9 (i686-pc-linux-gnu) Copyright (C) 1995-2000 Jg Schilling
Linux sg driver version: 2.1.38
Using libscg version 'schily-0.1'
scsibus1:
        1,0,0   100) 'MATSHITA' 'CD-RW  CW-7585  ' '1.04' Removable CD-ROM
        1,1,0   101) *
        1,2,0   102) *
        1,3,0   103) *
        1,4,0   104) *
        1,5,0   105) *
        1,6,0   106) *
        1,7,0   107) *

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