インターネット版「アサギマダラ・ニュース」
インターネット版「アサギマダラ・ニュース」
アサギマダラ・ニュース No.47
アサギマダラ大移動研究会
〒890 鹿児島市明和4−5−32 福田晴夫方
1997年5月10日発行
TEL&FAX.099-***-****, E-mail:tefutefu@po.synapse.or.jp
初夏の北上マーク虫を探そう!
種子島のマーク蝶 ただいま1614頭以上!
尾形 之善(西之表市)
第1信(4月18日発):
アサギマダラは4月15日までさっぱりでしたが、16日にわが家のスイゼンジナに10数頭やって来ました。
さらに今朝(18日)には20頭以上がやって来ました。
中種子町の鏑木きんが勤める薬学試験場でもスイゼンジナに多数あつまるとのこと。
また、南種町の稗畠さんの所では、畑のわきの土手にスイゼンジナをたくさん植えており、多いときはアサギマダラが1000頭くらい群れている(ややオーバーな表現?)とのことです。
どちらもマークする暇がないということです。ぜひ、マーキングにおいで下きい。
第2信(4月30日発):
アサギマダラは29日に大群(例年の2倍ぐらい)でやって来ました。昼間は仕事でマークできませんでしたが、夕方8時ごろ10頭ほど残っていたのでマークしました。
工藤さん(西之表市)もたくさんマークしているようです。コモンマダラのようなものを1頭採集したそうです。
また数日前、大崎〜国上にかけての畑でハナイバナ(半枯れ、おそらく除草剤散布後と思われます)に数百頭の集団でやって来ているのに出合い、びっくりしたということです。ただし、多かったのはこの日だけだったそうです。
第3信(5月5日発):
結局、この春は4月中ごろ以降まとまった個体数が現われ、特に連休初めに大群が押し寄せました。ウスコモンマダラ、コモンマダラ(?)、ツマムラサキマダラも採集されています。
スイゼンジナと半枯れのハナイパナに集まったアサギマダラにマークした5月4日現在のマーク状況は次のとおりです。
工藤 敏子------マークは---(T工)-------821頭
中野美治子-----------------(T中)-------567頭 合計 1614頭
尾形 之善-----------------(AA)-------226頭
5月5日より柳田律さん(Tヤ)もマーキング開始。ただ、5月4〜5日には個体数が急に少なくなりました。気温が25℃を超えるようになりましたので、北上したとも思われます。スイゼンジナの花も盛りを過ぎたようです。北上個体の再捕獲を期待しています。
トカラ列島小宝島では少なかった
岩下 秀行(鹿児島郡十島村)
5月9日の電話:
春には例年アザミの花に1日に10頭くらいは来ていたが、今年は極めて少なかった。
昨年の暮れからの羽化個体も少ない感じだった。
しかし、5月に入ってスジグロカバマダラが1♂♀、ウスコモンマダラ1♀も採れた。
後者はまだ数頭がいるが、山の樹林の高所を飛ぶので捕えられない。やはりマダラチョウ類の飛来はあったのだろう。
奄美大島から
芦沢 一郎(神奈川県三浦市)
3月30日〜4月1日、奄美大島にてアサギマダラ調査に行ってきました。4月1日を除いて天気は低温、曇りがちであまりよくはなかったので、蝶は少なく感じました。
アサギマダラは3月30日に2♂、4月1日に7♂2♀の合計11頭にマークして放しました。鮮度は新鮮〜やや新鮮という程度で、2♀は交尾済みでした。ムラサキカッコウアザミ(住用村に多かったが、他は少ないかまったく見なかった)訪花のものが多く、1♀のみシャリンバイの花です。
笠利町の守山泰司さんと連絡をとり、家へ押しかけいろいろと現地の話を聞けたのが収穫です。奄美でアサギマダラが多くなるのは4月10日頃以降で、ゴールデンウイーク頃までで、その後はほとんど見なくなるとのことでした。
秋にまた奄美へ行けるとよいのですが。(4月6日発)
薩摩半島南端部・長崎鼻パーキングガーデンでは
福田 晴夫・神園 香(鹿児島市)
4月24日(14:00−14:30)、山川町長崎井パーキングガーデンのスイゼンジナに来ていた13♂にマーキング。ほかに開聞岳山鹿の2箇所で1頭ずつを目撃した。
台湾の人達からのご返事など
台湾の人達への呼びかけ号(NO.46)には、次のようなお便りがありました。
台湾大学の朱耀沂先生(台湾昆虫学会会長):
世界各地を飛び回っておられる大変なご多忙の中、福岡のホテルからお便りをいただきました。
「今の私にも名案は浮かびませんが、もし差し支えなければアサギマタラニュースNO.46を送られた12人のサムライの名をこ教示いただけませんか? 場合によつては私の方からもアジってみます」。(達者な日本語)
彰化師範大学(彰化市)の徐 育峰先生:
もし私が、私の学生が、私の友人がマーク虫を見つけたら、データをすぐにお知らせします。約束します。(英文)
高雄県六亀の陳文龍氏:
アサギマダラは南部では数は少ないです。高山に生息しています。
タイワンアサギマダラは南部の低地・中山地にもたくさんいます。今ごろ(2月下旬)も産卵しています。
ルリマダラ類の越冬場所にコモンアサギ・ウスコモンアサギ・タイワンアサギマダラ等も一緒に越冬しております。今ごろ山に行けばいろいろな蝶が産卵しています。
マダラチョウのマーク、私は山に行けば赤い文字をかきます。六を○で囲んで代表とし、番号、年月日 です。ご注意下さい。何頭放蝶か後でまたお知らせします。(達者な日本語)
埔里の羅錦吉氏:
アナタノ青斑蝶ノ生態発表雑誌、拝見シマシタ。半分ワカリマセンデス。本当ニスミマセンチシタ。カタカナ字卜漢字ワカリマス。オ願イシマス。(日本語・Fax.)
このほか台湾の方々へは「日本鱗翅学会会員名簿」(1944年)より、張玉珍、范義彬、林緯原、周徳威、呉英明の各氏(台北市)、余清金氏(埔里鎮)、賽百峻氏(高雄市)にお送りしました.
やはり日本語だけでは無理があるようです。でも、上のお便りは大変心強く思いました。今後も情報を提供し続けていきたいです。とうかよろしくお願いします。秋には南下個体が見つかることを期待しましょう。
発行不定期、会費不要、投稿・情報歓迎。本紙の入手希望者は、封筒に80円切手を貼り、自分のアドレスを記入して送っておくこと。(切手だけでは困りますので、よろしく)
このページは、「アサギマダラ大移動研究会」発行のアサギマダラ・ニュースの内容を、インターネット版として掲載したものです。ただし、プライバシー保護のため、投稿者(情報提供者)の住所等は省略表示してあります。
このページは「アサギマダラ大移動研究会」の福田晴夫さんの全面的なご協力によって、作成したものです。この場を借りて、お礼申し上げます。
アサギマダラの移動に興味をもたれた方は、是非、マーキング調査に御参加下さい。簡単なやり方を覚えれば、誰でも参加できます。マーキングの仕方は、近日中にこのホームページで紹介する予定です。
なお、このページならびにアサギマダラに関するご質問、お問い合わせは 藤井 恒 または 福田晴夫さん までお願いします。
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