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Aquarium World 水草の栽培メモ
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水草の栽培メモ
PEN流、二酸化炭素無添加水草栽培法
水草の育て方が書かれている本には、ふつう二酸化炭素の添加を行うことが推奨されています。しかし、二酸化炭素の添加を行わないで、水草の栽培ができればそれに越したことはありません。私もかつては二酸化炭素の添加を行っていたこともありますが、今は二酸化炭素の添加をせずに水草水槽を維持しています。ここでは、私の栽培方法をご紹介します。皆さんの参考になれば幸いです。
1)よい水草を手に入れる(買う)
これが実はいちばん大事なことではないかと思います。
選び方としては、
元気に水中葉(新芽や新葉)をのばしている水草や長く伸びている水草を手に入れる、
または、
入荷直後の水草を買う
のがいいと思います。
特に水草に強いショップを除いて、水草は入荷してからの日数が経つほど弱っていくのがふつうです。
その一方で、水草に強いショップの状態のよい水草は非売品になっているか、とんでもなく高い値段がついています。
たとえば、東京の有名店でエイコホルニア・アズレアを1本3,000円で売っていたことがあります。
それを買ってもいいでしょうが、庶民には難しかったりするので、
これはこまめにショップをまわるのがよいのではないでしょうか。
ちなみに、わたしは同じ時期に1本300円のアズレアを買って育てました。
リスのしっぽにかんして言えば、
よく売っている茶色くてごわごわした葉のリスのしっぽは、水槽の水には慣れていないので、
そのまま植えても枯れてしまう方が普通ではないかと思います。
葉が緑色がかって(先端部は赤茶色ですが)柔らかい感じの個体を見つけたら、ラッキーです。
値段は、どちらも同じで1本50円以下だと思います。
2)魚は多めに入れる
水草を楽しんでいる人は、どちらかというと少な目に入れているのが普通でしょう。
魚が少ないからCO2を添加しなければならないという側面があると思います。
でも、魚をもっと入れれば、魚の呼吸でCO2が増えるので、
CO2を添加する必要はなくなるはずです。
また、魚が増えれば排出物も増えるので、硝化細菌がきちんと働いていれば、
窒素肥料もやらなくてよくなる(少なくできる)はずです。
私は小型カラシンが好きなので、以前は90cm水槽に約250匹の魚を入れていました。
主な魚種は
カージナル・テトラ、ブラックネオンテトラ、レッドファントム、ブラックファントム、
ロベルツイ・テトラ、ゴールデン・テトラ、イエローテトラ(ゴールドタイプ)、
キャッスル・テトラ、ラミーノーズテトラ、レモンテトラ、グラスブラッドフィン、
ペンギンテトラ、コンゴ・テトラ、
マーブルハチェット、ジャンボハチェット
セレベス・レインボー、マーブル・グラミー
それにディスカス2匹とフラッグシクリッドのペア(及びその子)、コリドラス(ピグミー系)など
で、これだけ入れるとCO2を添加すると鼻上げをするわけです。
この時のCO2濃度は約15mg/lでした。
ちなみに、上記の魚の中には、「水草を食害する」ものも入っています。
当時の水草は、
ハイグロフィラ・ポリスペルマ(ノーマル&ロザエネルビス)、ロタラ・インジカ、
アマニア・グラキリス、アルテルナンテア・レインキー、ウオーター・バコバ
リスのしっぽ、マヤカ、ヘテランテラ、アンブリア、
グレートモス、マツモ、ロガロシフォン・マダカスカレンシス
スピラリス、アマゾンソード、タイ・ニンファ
レースプラント
ルドウイジア・オバリス、ルドウイジア・レペンス、パールグラス、エイコホルニア・アズレア
イエローカボンバ、レッドカボンバ
などで、これらはその後水槽の手入れができなかった時期にその多くが消滅してしまいましたが、
当時はこの条件でそれなりに生育し、
週に1度はトリミングして元気な水草を捨てなければならない状態でした。
今ある水草の大部分は当時の生き残りです。
この水槽ないで、フラッグシクリッドとゴールデンテトラは繁殖しましたし(ほとんどはカラシンに食われましたが)、
これ以外にペンギンテトラやブラックファントム、セレベスレインボーなども
繁殖には成功しませんしたが、よく産卵していました。
ディスカスの成魚がいるにも関わらず、繁殖に成功したのは、
水草がたくさんあったからにほかなりません。
現在は、この水槽にディスカスの幼魚を入れているため、
カラシンを入れていませんが(餌を食われてしまうため)
成魚になったらまた入れようと考えています。
3)濾過を充実させる。
上記のように魚をたくさん入れるためには、濾過能力を高める必要があります。
本当はエーハイムのおおきいやつを2つくらいつけたいところですが、
この水槽は上部濾過器付きで、知人からもらったものです。
そこで、上部濾過器に加えてフルーバルの内部フィルター(120cm以上水槽用)を入れてあります。
ちなみに他の水槽もすべて濾過器は2つずつ使っています。
90cm水槽の上部濾過器は水槽をセットしてから(5年ほど経っていますが)、一度も掃除したことはありません。
ただし、吸い込み口(水草の葉などを吸い込まないように
ナイロンの網が巻き付けてあります)は1〜2か月に1度掃除します。
内部濾過器は目詰まりするので、たまに洗います
(最近はめんどうなので、水道水でそのまま洗ってしまいます)。
−−>これって、タブーでしたよね?
ちなみに、ご存じのように水質は大型水槽の方が安定しますね。
4)水草をたくさん植える。
魚が多いので、水が富栄養化します。
これを浄化するためには、水草に栄養塩類を使ってもらう必要があります。
そこで、水草をたくさん植える訳ですが、ここで注意することがあります。
それは、成長が早い有茎水草を必ず植えることです。
水草マニアには人気のない(かもしれない)
ハイグロフィラなんかが最適で、どんどん成長してもらいます。
そして、週に1度くらいのペースで成長した水草をどんどん捨てる訳です。
まじめにトリミングするのは大変ですから、適当に上の方を切って捨ててしまう、
というのがお勧めですね。
(結局、トリミング地獄からは抜けられないということです、ハイ^:^!)
ただこれを続けていると、株が弱ってくるので、そうなったら古い株を抜いて、新しい茎を植えます。
こういう水草は、魚の餌にもなっていいですね。
ちなみに、水草をたくさん植えていないと、アオミドロやアオコなんのが繁殖することになります。
5)酸素も多めにする。
酸素は魚にも必要ですが、硝化細菌などが働くためにも必要です。
ですから、場合によってはエアレーションも必要になります。
もっとも、上部濾過を行っていれば、普通は不要でしょう。
ちなみに、リスのしっぽだけがびっしり生えている50cm水槽は、
外部パワーフィルタ+内部パワ−フィルタ−で濾過していますが、
水質維持のためエアレーションをしています。
6)光量をふやす工夫。
上部濾過を行っていると、光量が不足しがちになります。
特に、濾過器の下は光量不足になるため、
水草の生育が悪くなります。
90cm水槽ではもう半分諦めて、濾過器の下には流木を沈めていますが、
草丈が高く、成長が早い水草なら植えることは可能です(カボンバなど)。
濾過器以外の部分には、なるべくたくさんの蛍光灯を設置します。
45cm水槽では、背面に反射板をおいて光量を増やしています。
また、光量不足を補うため、照明時間を長めにしています。
普通の本には、「水草や魚を休めるために照明時間は長すぎないように」と書かれていますが、
私は完全に無視しています。
朝は7時くらいに照明をつけ、消灯は夜の11時くらいにしています。
つまり、16時間もライトをつけていることになります。
魚はだいたい照明時間中起きていますが、水草の方は勝手に休んでいるようです。
リスのしっぽなどは、就眠運動を観察すると、
だいたい午前9時〜午後8時くらいの間「起きている」みたいです。
蛍光灯は普通の昼光色を使用しており、水草育成灯は基本的に使っていません。
7)液肥は使わない。
魚がたくさんいれば、肥料は基本的にあまりいりません。
ただし、アズレアやグラキリスなどは、弱ってきたらテトラクリプトを少し、根元に入れてやっています。
はじめは液肥も使っていましたが、アオミドロの発生を助けるだけなので、
いまはまったく使っていません。
ちなみにアオミドロはリスのしっぽの葉にからみついて、葉を枯らします。
8)コケ取りエビやオトシンクルスは役に立たない。
と思った方がよいです。
というのは、魚をたくさん入れるので、餌もちゃんとやります(原則的に朝晩2回)。
餌があれば当然怠け者になりますから、コケ取りなんかしてくれるはずがありません。
かわいいからペットとして入れるなら別ですが、こいつらは全然役には立ちませんね。
とくにヤマトヌマエビなんかは最悪で、
餌を与えると一人で餌を抱え込んでどこかに隠れてひたすら食います。
で、あげくの果てに、コケよりも葉が柔らかい水草を食ってくれます。
また、こいつらは高水温ではあまり長生きできないようです。
というわけで、現在、まったく入れていません。
9)水温は高めにする。
水草水槽に魚病薬や塩を入れたいと思う人はあまりいないでしょう。
そこで、白点病予防のため、水温は最低28℃以上にした方がよいでしょう。
29℃まで上げてあれば、まず白点病は出ません。
もし、不幸にして白点病の魚が出たら、水換えをして水温を31℃まで上げます。
そうすれば数日で直るはずです(塩やメチレンブルーなどは入れなくてよい)。
しかし、この水温ではホトニアのような水草や、
高水温に弱い魚(コリドラスの一部やあのネオンテトラなど)はうまく育たなくなります。
10)リスのしっぽは
前にも書いたように、なるべく草丈の高いものを買います。
草丈が低い場合は水量を減らすか、素焼きの鉢かなにかに植えて、葉が水面近くに来るようにします。
これで、新芽がでるまで待ちます。
これを食う魚は近づけないようにした方がいいですね。
私は、ハニー・ドワーフ・グラミ−に食われて失敗した経験があります。
(ちなみに、いま生育しているのは、3回目にやっと成功したものです)
新茎がある程度伸びてきたら、しばらく水面をはわせて成長させ、切って植えればたぶんうまくいきます。
新芽がうまくでないようなら、その草はもともとダメだったんだとあきらめるべきです。
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