★21世紀になる瞬間…

 12月31日、2ヶ所目のステイ地、Puneに到着。熱烈歓迎の対面式の後、ステイ先の家につき、夕食を食べて、くつろいでいるうちに、12時が近くなってきた。しきりに時計を気にする僕を見て、パパが「眠いのか?」と聞くので、僕が「21世紀まであと10分だよ。」と答えると、「じゃあ、屋上に上がってみるか?花火とか見えるよ。」ということで、4人のホスト家族と僕と、みんなで屋上へ。
 この時ステイしていた家は、Pune市のはずれの閑静な住宅街の一軒家。2階建ての家の屋上から周囲を見ると、暗い街頭がポツポツとついている静かな町並みがずっとつづいていた。やがて、遠くからバンバンバンと爆竹の音が聞こえ、遠くで打ち上げ花火が上がるのが見えた。「A Happy New Year!」新年を祝う僕たち。プネーの中心ではお祭り騒ぎだったらしいけど、僕たちの家のまわりは静かだった。
「あ、あそこ、花火」
「あ、あそこでも」
5人で静かに迎えた新世紀の始まりは、たぶん一生忘れることのできない、とても印象的なものだった。わずか数時間前に初めて会った家族(調査表は前にもらっていたけど)だというのに、とても心地よい、自分の居場所だった。

 (でも、1月1日には学校も始まるし、インドではあまり1月1日は意味を持たなくて、秋のお祭りのほうが盛大らしい。)
 (あとから、みんなに、この瞬間どうしていた?と聞いたら、リエは街の真中で、自動車に乗ってたとか、フクロウ達はパーティしていたとか、わかちゃんとアーニャは疲れて寝ていたとか・・・。)

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