Fedora Project

Fedora Core 1


Fedora Core 1について

  • Fedora Core 1は、2003年11月5日にリリースされたRed Hat Linuxの後継となる最新版です。Red Hat Linux 9に比べてカーネル等が以下の様に変わっています。

    項目 Red Hat Linux 9 Fedora Core 1 備考
    カーネル 2.4.20 2.4.22  
    glibc 2.3.2 2.3.2  
    glibc2 - 2.2.3  
    XFree86 4.3.0 4.3.0  
    GNOME 2.2.0 2.4.0  
    KDE 3.1 3.1.4  

  • Fedora Core 1の詳細については、以下のページを参照して下さい。
    Fedora Project



Fedora Core 1のアップグレードインストール

  • ここでは、Red Hat Linux 9からFedora Core 1へのアップグレードインストール手順について紹介します。

  • LinuxWORLD2004年1月号付録CD-ROMを使って、アップグレードインストールを行いました。
  • CD-ROMブートで起動すると、インストーラメニューが表示されます。「boot:」プロンプトが表示されたら、そのままEnterキーを押してグラフィカルモードによるインストールを行います。
  • 「CD Found」の画面が表示され、CDの破損チェックを尋ねられますが時間が掛かるので、「Skip」を押下し、チェックをスキップします。
  • 「Welcome to Fedora Core」の画面が表示されるので、「Next」を押下します。
  • 「Language Selection」が表示されるので、「Japanese(日本語)」を選択し、「Next」を押下します。
  • 「キーボードの設定」画面が表示されるので、デフォルト設定「Japanese」を確認し、「次」をクリックします。
  • 「マウスの設定」画面が表示され、「Wheel Mouse(PS/2)」が自動選択されているので、そのまま「次」をクリックします。
  • 「アップグレードの検証」画面が表示されます。「既存インストールのアップグレード」を選択します。次のRedHat製品がアップグレードされます-「RedHatLinux9(/dev/hdb5)」になっている事を確認し、「次」をクリックします。
  • 「ブートローダ設定をアップグレード」画面が表示されます。「ブートローダの設定の更新」を選択し、「次」をクリックします。
  • 「パッケージ情報を読み込み中」、「アップグレードパッケージを検索中」、「インストール対象パッケージの依存関係をチェック中」とのメッセージが表示されてしばらく時間が掛かります。
  • 「アップグレード準備完了」」画面が表示され、ログが「/root/upgrade.log」ファイルに格納される旨表示されます。「次」をクリックします。
  • 「Required Install Media」画面が表示され、CD#1〜#3を準備しておく様にとのメッセージが表示されます。「続行」をクリックします。
  • 「パッケージのインストール」画面が表示されます。いくつかのメッセージの後、「インストール準備中」のメッセージがしばらく続いた後、インストールが開始され、進行状況が表示されます。
  • しばらくすると、「続行するには、ディスク2を挿入して下さい」のメッセージが表示されるので、CD-ROMの2枚目を入れて、「OK」をクリックします。引き続きインストールが始まります。
  • しばらくすると、「続行するには、ディスク3を挿入して下さい」のメッセージが表示されるので、CD-ROMの3枚目を入れて、「OK」をクリックします。引き続きインストールが始まります。
  • 「ブートディスクの作成」画面が表示されるので、「はい」を選択して「次」をクリックします。通常であれば、「フロッピーディスクを挿入して下さい」とのメッセージが表示されるところで、以下の様なメッセージが出ました。
    「ブートディスクの作成ができません。
     このマシンに必要なカーネルモジュールのサイズの為、
     フロッピーディスクを使用したブートディスク作成は無理です。」
    
    とりあえず、「OK」をクリックします。
    →この件の原因と対策は、本ページの以降の項で説明します。
  • 「Congratulations. the installation is complete.」画面が表示されるので、「Reboot」をクリックします。システムがリブートされます。
  • リブート後、いろいろなプロセスが[OK]を表示しながら起動され、最後にGNOMEのログイン画面が出るタイミングで、CUIのログイン画面とGUI画面になろうとする青い画面が、何回か切り替わった後に、以下のメッセージが表示されてしまいました。
    →解決策は、本ページの以降の項で説明します。
    「The display server has been shut down about 6 times in the 
      last 90 seconds, it is likely the something bad is going on.
      I will wait for 2 minutes before trying again on display :0」
    
  • とりあえず、システム情報を表示してカーネルバージョンが「2.4.22」となっている事を確認します。

    $ uname -a
    Linux taro.home 2.4.22-1.2115.nptl #1 Wed Oct 29 15:42:51 EST 2003 i686 i686 i386 GNU/Linux
    


ブートディスクの作成

  • インストール時にブートディスクが作成できなかった件は、必要なプログラムのサイズが大きくなり、1.44MB のFDに収まらない事が原因の様です。解決策としては、FDを1.68MBでフォーマットし、そこに書き込むのですが、2通りの方法があります。1つは、「/sbin/mkbootdisk」で作成する方法ですが、私の場合、この方法で作成したブートディスクでは、うまく起動できませんでした。もう一つは、以下に紹介するスクリプトで作成する方法で、私の場合は、こちらの方法でうまく行きました。

  • まず、以下の様なブートFD作成スクリプト「mklilofd.sh」を用意します。最初の2行は、環境に合わせて修正します。

    【mklilofd.sh】
    #! /bin/bash
    KernelVersion=2.4.22-1.2115.nptl  # 環境に合わせて修正
    RootDevice=/dev/hdb5              # 環境に合わせて修正
    fdformat /dev/fd0u1680
    /sbin/mke2fs -m 0 /dev/fd0u1680
    mount -t ext2 /dev/fd0u1680 /mnt/floppy
    mkdir /mnt/floppy/boot
    mkdir /mnt/floppy/etc
    mkdir /mnt/floppy/dev
    cp -a /boot/vmlinuz-${KernelVersion} /mnt/floppy/boot/
    cp -a /boot/initrd-${KernelVersion}.img /mnt/floppy/boot/
    cp -a ${RootDevice} /mnt/floppy/dev/
    cp -a /dev/fd0u1680 /mnt/floppy/dev/
    cp -a /boot/boot.b /mnt/floppy/boot/
    cat > /mnt/floppy/etc/lilo.conf <
    

  • 次に、FDを挿入し、ブートFD作成スクリプト「mklilofd.sh」を実行します。しばらく書き込みが続いた後、完成します。

    $ su
    # sh ./mklilofd.sh
    両面, 80 トラック, 21 セクタ/トラック。合計容量 1680 kB。
    フォーマットします ... 終了
    照合します ... 終了
    mke2fs 1.34 (25-Jul-2003)
    Filesystem label=
    OS type: Linux
    Block size=1024 (log=0)
    Fragment size=1024 (log=0)
    216 inodes, 1680 blocks
    0 blocks (0.00%) reserved for the super user
    First data block=1
    1 block group
    8192 blocks per group, 8192 fragments per group
    216 inodes per group
    
    Writing inode tables: done                            
    Writing superblocks and filesystem accounting information: done
    
    This filesystem will be automatically checked every 33 mounts or
    180 days, whichever comes first.  Use tune2fs -c or -i to override.
    Added linux *
    

  • 上記のブートディスク作成の件は、「linux-users」メーリングリストの皆さんのおかげで解決できたものです。この経緯については、下記のMLスレッドを参照して下さい。

    Fedora Core 1アップグレードでブートディスクが作成できず


GUIで起動できない場合の対策(日本語フォントの問題)

  • RedHatLinux9からのアップグレードインストールの場合に、日本語フォント関係の問題があり、そのままでは、GNOMEが正常に起動されませんでした。以下の様に「/usr/share/fonts/ja/TrueType/fonts.cache-1」を削除(ここではリネームしました)すると解決できました。この件の経緯については、下記のMLスレッドを参照。

    Fedora Core 1アップグレードでGUIで起動できない

    $ cd /usr/share/fonts/ja/TrueType/
    $ ls -al
    合計 16468
    drwxr-xr-x    2 root     root         4096 12月  8 22:22 .
    drwxr-xr-x    4 root     root         4096  6月 20 17:22 ..
    -rw-r--r--    1 root     root         1548  8月 11 21:34 fonts.alias
    -rw-r--r--    1 root     root        16674 12月  8 22:22 fonts.cache-1
    -rw-r--r--    1 root     root         7285 12月  8 22:21 fonts.dir
    -rw-r--r--    1 root     root         7285 12月  8 22:21 fonts.scale
    -rw-r--r--    1 root     root      7770652  8月 11 21:34 kochi-gothic-subst.ttf
    -rw-r--r--    1 root     root        17318  8月 11 21:34 kochi-gothic-subst.tti
    -rw-r--r--    1 root     root      8967464  8月 11 21:34 kochi-mincho-subst.ttf
    -rw-r--r--    1 root     root        17318  8月 11 21:34 kochi-mincho-subst.tti
    
    $ su
    # mv fonts.cache-1 fonts.cache-1.old
    


manの文字化け対策

  • Fedora Core 1 では、標準ロケールの文字コードがUTF-8になり、manマニュアルもUTF-8で書かれているものがほとんでです。ところが、Red Hat Linux 9 からアップグレードした場合は、Red Hat Linux 9の標準ロケール「ja_JP.eucJP(EUC-JP)」が引き継がれます。そのため、manコマンドで表示されるマニュアルが文字化けします。

  • まず、現在のロケールが「ja_JP.eucJP」である事を確認します。環境変数LANGの値と、設定ファイル「/etc/sysconfig/i18n」の内容を確認します。

    $ echo $LANG
    ja_JP.eucJP
    

    【/etc/sysconfig/i18n】
    LANG="ja_JP.eucJP"
    

  • 次に、manコマンドの設定ファイル「/etc/man.config」の「JNROFF」部分の記述を以下の様に変更します。「nkf -e」で、マニュアルの文字コードを「EUC-JP」に統一する事により文字化けが解消されます。

    【/etc/man.config】
    【変更前】JNROFF     LANG=ja_JP.UTF-8 /usr/bin/groff -Tnippon -mandocj
    
    【変更後】JNROFF     nkf -e | /usr/bin/groff -Tnippon -mandocj
    


XFree86のバージョン確認

  • XFree86のバージョンは、以下の様に確認できます。他に「$ xdpyinfo」コマンドでも確認できます。

    $ X -version
    
    XFree86 Version 4.3.0 (Fedora Core 1: 4.3.0-42)
    Release Date: 15 August 2003
    X Protocol Version 11, Revision 0, Release 6.6
    Build Operating System: Linux 2.4.21-2.ELsmp i686 [ELF]
    Build Date: 24 October 2003
    Build Host: porky.devel.redhat.com
    
            Before reporting any problems, please make sure you are using the most
            recent XFree86 packages available from Red Hat by checking for updates
            at http://rhn.redhat.com/errata or by using the Red Hat Network up2date
            tool.  If you still encounter problems, please file bug reports in the
            XFree86.org bugzilla at http://bugs.xfree86.org and/or Red Hat
            bugzilla at http://bugzilla.redhat.com
    
    Module Loader present
    OS Kernel: Linux version 2.4.22-1.2115.nptl (bhcompile@daffy.perf.redhat.com)
     (gcc version 3.2.3 20030422 (Red Hat Linux 3.2.3-6)) #1 Wed Oct 29 15:42:51 EST 2003
    


GRUBの自動更新

  • GRUBの設定ファイル「/boot/grub/menu.lst」(「/boot/grub/grub.conf」にリンクしています。)は、以下の内容に自動更新されました。修正等は不要です。

    【/boot/grub/menu.lst】
    # grub.conf generated by anaconda
    #
    # Note that you do not have to rerun grub after making changes to this file
    # NOTICE:  You do not have a /boot partition.  This means that
    #          all kernel and initrd paths are relative to /, eg.
    #          root (hd1,4)
    #          kernel /boot/vmlinuz-version ro root=/dev/hdb5
    #          initrd /boot/initrd-version.img
    #boot=/dev/hda
    default=1
    timeout=10
    splashimage=(hd1,4)/boot/grub/splash.xpm.gz
    title Fedora Core (2.4.22-1.2115.nptl)
    	root (hd1,4)
    	kernel /boot/vmlinuz-2.4.22-1.2115.nptl ro root=LABEL=/ hdc=ide-scsi hdd=ide-scsi
    	initrd /boot/initrd-2.4.22-1.2115.nptl.img
    title DOS
    	rootnoverify (hd0,0)
    	chainloader +1
    #
    # FreeBSD 11/Dec/2001
    #
    title FreeBSD
    	root (hd1,0,a)
    	kernel /boot/loader
    


ALSAの再インストール(Ver1.0.0rc2)

  • ALSAの本体は、kernel module なので、kernel を入れ替えたらALSAの再インストールが必要になります。

  • aptを利用して2003年12月14日時点の安定最新版Ver1.0.0をインストールしました。インストール方法の詳細は、以下を参照して下さい。

    ALSAサウンドドライバ



参考図書

  • Red Hat → Fedora Core 乗り換えテクニック:Software Design 2004年5月号
  • 検証 Fedora Core 1 :UNIX USER2004年2月号
  • Fedoraに移行すべきか否か:LinuxWORLD2004年1月号
  • 新着ディストリビューションFedora Core 1:Linuxマガジン2004年1月号
  • Fedora Core 1 応用自在:日経Linux2004年1月号



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