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アサギマダラ・ニュース No.48

            

アサギマダラ大移動研究会

        〒890 鹿児島市明和4−5−32 福田晴夫方
1997年5月25日発行
TEL&FAX.099-***-****, E-mail:tefutefu@po.synapse.or.jp



与論島・沖永良部島・南薩の情報(1997年春)

               

田中 洋(鹿児島市)

与論島: 竹盛窪氏が在住。
      田中洋(HT)、田中章(AT)も調査。
    3月1日:伊波・1♂(HT)、朝戸・2♀(HT)、石積パンタ・1♂(HT)
    5月4〜5日:14頭(12♂2♀)にマーク。1♂採(新鮮)(AT)。

徳之島: 田中章在住。以下の記録あり。     3月15日:馬根・1♀
    4月3日:伊仙町面縄・19♂(ほとんど新鮮で古い個体は2匹のみ)。
    4月19日までに面縄でマークし放蝶したもの110匹(102♂8♀)。スイゼンジナに来たもの。

薩摩半島: 山川町フラワーパークかごしま(略称:FP)。
        山川町長崎鼻パーキングガーデン(略称:PG)での記録を主にまとめた。
    4月11日:FP。コバノランタナに1匹、スイゼンジナに2♂。(木場訓氏)
    4月12日:FP。コバノランタナに1♂、スイゼンジナに1匹。(木場訓氏)
        開聞町川尻。1♀新鮮・未交尾。スイゼンジナ?。(平原洋司氏)
    4月20日以降:PG。スイゼンジナに10〜20匹。(鮫島正道氏)
    4月24日:PG。13♂マーク、(福田・神園、前報)
    4月25日以降:PG。スイゼンジナに30匹くらい来ていた。(鮫島正道氏)
    4月29日:鹿児島市下福元町。3匹目撃。(田中章氏)
    4月30日:PG。「フタダ」のマーク蝶2匹観察。少なくとも6日間はこの付近に滞在したことになる。(鮫島正道氏)
    4月30日〜5月1日:FP。スイゼンジナに来た66匹(♂♀不明)にマーク。(木場訓氏)。
      *5月10日付けの朝日新聞に少女たち数名が放す写真とともに報道されたが、記号が不統一で基礎データの不備が気になる。
    5月4日:PG。スイゼンジナで12♂にマーク、小型か多い。
        4♂採集。1♂は5月1日にFPで放されたもので、1〜2kmの南下、この蝶の行動範囲を示唆している。
        「フタグ」は見られず、すでに北上あるいは分散か。ウスコモンマダラ2♀採集。
    同 日:FPかごしまではスイゼンジナに来た3♂にマークし、4♂採集。
        うち3♂はここで放されたものであったが、確認後再放蝶した。(HT・藤崎優太君)


種子島から、その後の情報

                  

尾形 之善(西之表市)


5月14日発信:
 ニュース47号拝受しました。説明不足で誤解されたかも知れませんので、ひと事。第1信にある鏑木さんと稗畠さんからの情報部分は昨年以前に聞いた内容です(多分今年も変わりないと思いますが)ご了承下さい。
 さて、その後アサギマダラは5月7日から10頭以下に減り、13日は1頭、14日にはまったく来なくなりました。その代わりに他のマダラ類がやってきました。
 5月5日、カバマダラ1♀、13日、さらに同種1♂。14日、ウスコモンマダラ1♂。
 まだ少しスイゼンジナか残っていますので、マダラ類がやって来るかも知れません。カバマダラが飛来するのは例年より早かったようです。
 *この封書を出しに行くとき、またウスコモンマダラらしいのが1頭来ていました。

5月22日発信:
 その後アサギマダラは全くやってきません。13日ごろまでに北上してしまったようです。ウスコモンマダラは、その後続々追加。22日現在、工藤さんは前のものと合わせて17頭(20日4頭、21日2頭、スイゼンジナの花の残りほ10個ほど)。小生は4頭(19日1頭、20日1頭。スイゼンジナの残り2−3個)。カバマダラもポツポツとやってきています。工藤さんの目撃したカバマダラの初見日は4月中旬ということです。


トカラ・小宝島からの続報

                 

岩下 秀行(鹿児島郡十島村)


5月18日発信:
 5月15、16日は大雨、17日は快晴。朝からスジグロカバマダラが飛んでいるので、午後から島中を走り回りました。アサギマダラは新鮮な個体が多く、27頭(9♂18♀)にマークしました。夕方4〜5時ごろ、アザミの花にリュウキュウアサギマダラ、ウスコモンマダラ、ルリタテハ、ヒメアカタテハなどと一緒にいるので目移りして忙しくも楽しい思いをしました。翌18日は午後4時より採集に出て、1時間ほどでアサギマダラ23頭(11♂12♀)にマーク、昨日のマーク虫は2頭を確認しました。他にスジグロカバマダラ(1♂1♀)、ウスコモンマダラ(1♀)、ウラナミシロチョウ(1♂:小宝島の初記録)、ヤエヤマムラサキ(?)(1♀)。


いよいよ北上の季節ですね

                

窪田 宣和(愛知県半田市)


 南の島からのニュースに「いよいよ北上の季節」と意気込んでおります。京都の内田孝さんからも「北上個体の再捕をしたいもの」というお便りが届いています。台湾の方たちからの反響、心強いですね。今秋あたり台湾から再捕のニュースが飛び込んでくるのではと期待がふくらみます。4月25日に愛知県の三河山地のキジョランの生育地に越冬幼虫の調査に行ってきました。これは1月7日にマークした幼虫の追跡だったのですが、6頭のうち1頭が再発見きれただけでした。北上個体の到着地という可能性もありますので、また様子を見にいきます。8月に日本生物教育会の宮城大会で、アサギマダラの移動に関して研究発表を考えています。昨秋、蔵王から知多へ飛んだことですから東北の人達にアピールします。夏休みの数日間は長野県武石村でマーキングを計画しています。


編者より:

 台湾大学の朱耀沂先生からの5月19日寸けのホットなお便り、お忙しい中いろいろなご配慮、ご教示をいただき「じっくり案を練りましょう」とあります。そして「切手を少し同封しておきます。それ故、これからもアサギマタラ・ニュースは続けて送ってください」−なんと日本の記念切手がたくさん同封されておりました。大感激。さらに「これらの人との連絡は英語がよいでしよう。今のところは、ひと先ず英語が国際語ということになっていますし−−−−」という付記。実は46号の「台湾の人達への手紙」は英訳の申し出があり、進行中です。また、中国語への翻訳にも手をつけてみようかという人も。これらの国際協力の動きは今朝(5月25日付)の南日本新聞でも取り上げられました。
 たった今南薩の長崎鼻パーキングガーデンの鮫島園長から電話があり、先日のウスコモンマダラに続いて、今夕イワンアサギマダラを1頭採集したということです。日本列島で初夏に採れるアサギマダラは地元で羽化した個体も混入していますが、タイワンアサギマダラとウスコモンマダラは台湾を出発地としている可能性が極めて高いので、台湾でのマーク虫が意外に早く見つかるかも知れません。六亀の陳文龍さん期待しています。それにしてもスイゼンジナの集蝶力はすごいです。九州中部以北でも何とか初夏に開花させたいもの。
               (福田 晴夫)

発行不定期、会費不要、投稿・情報歓迎。本紙の入手希望者は、封筒に80円切手を貼り、自分のアドレスを記入して送っておくこと。



 このページは、「アサギマダラ大移動研究会」発行のアサギマダラ・ニュースの内容を、インターネット版として掲載したものです。ただし、プライバシー保護のため、投稿者(情報提供者)の住所等は省略表示してあります。
 このページは「アサギマダラ大移動研究会」の福田晴夫さんの全面的なご協力によって、作成したものです。この場を借りて、お礼申し上げます。

 アサギマダラの移動に興味をもたれた方は、是非、マーキング調査に御参加下さい。簡単なやり方を覚えれば、誰でも参加できます。マーキングの仕方は、近日中にこのホームページで紹介する予定です。
 なお、このページならびにアサギマダラに関するご質問、お問い合わせは 藤井 恒 または 福田晴夫さん までお願いします。


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